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レーザー加工機の種類

このページでは、レーザー加工機の種類や特徴について解説しています。レーザー加工機を導入する際、どのようなレーザー加工機を選べば導入メリットを追求していけるのか、あらかじめ種類や特性を理解した上で考えていきましょう。

レーザーの種類によって分けられる種類

レーザー加工機といっても出力されているレーザーには複数の種類があり、対象となるワークや加工の内容によって選ぶべきレーザーも変わります。ここではレーザーの媒質に注目した種類の分け方を紹介しています。

1.CO2レーザー

CO2レーザーは、文字通りCO2ガス(二酸化炭素ガス)を励起媒質に用いて赤外線を生じさせられた気体レーザーです。CO2レーザーを使ったレーザー加工機は高出力を得られると同時に、対象のワークが透明な素材であってもレーザー加工を行うことが可能です。

金属の切断や穴あけ、レーザー溶接などさまざまな目的や加工に活用されており、レーザー加工機として市販されている製品の中でも一般的なものということができるでしょう。なお、赤外線は可視光線でなくレーザーそのものを見ることはできない一方、目に入ると失明の恐れもあるため管理には注意が必要です。

2.ファイバーレーザー

ファイバーレーザーは光ファイバーを使った固体レーザーです。ダイオードポンプを通じてグラスファイバーでエネルギーを増幅するというシステムが採用されており、レーザーガスが不要でレーザー効率に優れており、発振器のメンテナンスなども比較的容易であるといった特徴があります。

ワークの素材には金属やプラスチックが用いられ、マーキングやレーザー彫刻などに利用されます。

3.YAGレーザー

YAGレーザーとは、媒質にイットリウムとアルミニウムの複合酸化物の結晶を使ったレーザーであり、レーザー彫刻やマーキング、溶接などに用いられます。YAGレーザーはワークが薄い場合でも熱変形や歪みを生じさせず高品質な仕上がりを目指すことができ、医療用品など高い仕上がりレベルを求めるレーザー加工などに使われることが特徴です。

デメリットとしてはイニシャルコストやランニングコストが高くなる点が挙げられるでしょう。

4.超短パルスレーザー

超短パルスレーザーとは、1000兆分の1秒(フェムト秒)から1兆分の1秒(ピコ秒)という単位でパルス幅が制御されるレーザーです。超短時間で極めて高速に出力されるレーザーであり、レーザーの熱が対流して素材へ熱ダメージを与えたり、バリやクラックといった問題が発生しにくくしたりといったメリットを持ちます。

超短パルスレーザーではミクロン単位の精密加工を非接触・非熱加工として実現できる点が重要です。

5.UVレーザー

基本的なレーザーと比較して波長が3分の1ほどになっており、紫外線と同じ領域の波長を持つためUVレーザーと呼ばれるレーザーです。素材に吸収されやすく、熱影響によるダメージをワークへ与えにくいことがメリットです。また金や銀といった反射率の高い素材にも利用することが可能であり、レーザー加工後のバリが発生しづらく品質を高めやすいといった特徴があります。

高出力に頼ったレーザー加工でなく、小さい範囲で高品質な加工を求める微細加工などに適したレーザーです。

レーザーの照射方法で見るレーザー加工機

励起されたレーザーをどのような方法でワークへ照射するのか、照射システムによってもレーザー加工機の種類を分けることができます。ここではレーザーヘッドからレーザー光線を照射する稼働方法として「フラッドベッドタイプ」と「ガルバノタイプ」をまとめました。

1.フラットヘッドタイプ

フラットヘッドタイプは「プロッタータイプ」や「XYタイプ」とも呼ばれるレーザー照射方式であり、レーザーヘッドが横方向と縦方向という「XY軸」に移動しながらレーザーを照射するタイプです。

例えば水平な土台へワークを設置し、その表面にレーザーによる彫刻やマーキング、プリントなどを行う際などに利用されています。レーザー加工機の種類として一般的ということができるでしょう。

2.ガルバノタイプ

ガルバノタイプは、レーザーヘッドを固定したまま、可動式のミラーによってレーザーの反射を制御することで、対象へのレーザーの当たり方をコントロールする照射方式です。

レーザーヘッドが常に同じ場所からミラーに向けてレーザーを照射しており、ミラーが高速で角度を調整することでレーザーの方向を変更します。縦横軸への移動を前提としたフラッドベッドタイプよりも対象へ滑らかにレーザーを照射することが可能です。

レーザー加工機の規模やサイズにもとづく種類

レーザー加工機には卓上タイプの小型レーザー加工機から、大きなレーザー加工機を設置してワークの加工を行う大型タイプまで、サイズやレーザーの出力規模による違いもあります。

1.小型レーザー加工機

小型レーザー加工機は文字通り小サイズのレーザー加工機であり、机の上に置いて気軽に利用することのできる製品です。産業用機械として市販されている製品だけでなく、個人が趣味で使用できるような民製機もいろいろと販売されており、導入コストも比較的抑えやすいことがポイントです。

一方、レーザー加工機として小サイズであり出力されるレーザーの強さも大規模でないため、大きなワークを加工したり、強度の素材を加工したりといったことは難しくなります。

2.中型レーザー加工機

大型レーザー加工機と小型レーザー加工機の中間に位置するようなレーザー加工機です。具体的に「中型レーザー加工機」として決められた定義はありませんが、基本的には家庭用レーザー加工機よりも高性能かつ大サイズで、大出力レーザーや大サイズのワークの加工を必要とするようなレーザー加工機よりも小規模というイメージになります。

民製機よりも高品質なレーザー加工を実現しつつも、消費電力や導入コスト、ランニングコストを抑えたい場合などに検討対象となります。

3.大型レーザー加工機

分厚いワークや高強度のワーク、大サイズのワークなどを加工するために設置される大型のレーザー加工機です。導入コストが高くなり、また市販品だけでなく設置環境や導入目的に合わせてオーダーメイドされたりカスタマイズされたりすることも少なくありません。

大出力のレーザーを照射できるため硬いワークや、小型・中型のレーザー加工機では困難だった加工でも叶えることができます。

レーザー加工機の種類に関するまとめ

レーザー加工機はさまざまな機械加工や表面加工の省力化や効率化に貢献できる産業用機械であり、適切なレーザー加工機を導入することで大きくメリットを追求していける可能性が高まります。

反面、レーザー加工機にも複数の種類があり、高性能を求めるほどイニシャルコストやランニングコストが高くなっていくことも事実です。

そのため、レーザー加工機の導入を検討する際は、レーザー加工機の種類や導入目的をきちんとマッチングさせることが大切です。

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