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パルスレーザー

レーザーにもさまざまな種類がありますが、パルスレーザーはほかのレーザーとどのような点に違いがあるのでしょうか。その原理や導入されている目的など、わかりやすく紐解いてみましょう。

パルスレーザーとは

「パルスレーザー」の「パルス」とは、"脈拍"のこと。化学的な分野では、ごく短い間に流れる電流や電波のことを指します。

「パルスレーザー」も一定時間ごとにパルスが周波数として繰り返されているので、このように総称されています。

細かな工程に向いているとされ、パルスの間隔により、それぞれナノ秒レーザー・ピコ秒レーザー・フェムト秒レーザーと分類することもできます。

パルスレーザーのメカニズム

パルスレーザーは次のような方法で成り立っています。

 直接変調法

連続している光を、シャッターのオンとオフで区切っているレーザーです。

 Qスイッチ

エネルギーをためて一気に光を放出させるので、大きな出力のパルスを作り出せます。

モードロック

可視光や紫外線・赤外線を分光器で分解し、波長の順に並べたものをスペクトルと言いますが、レーザー光ではこれが非常に細い集まりになっています。
この細いスペクトルを「縦モード」と呼びます。

そして、縦モードを同期させて発振するのが「モードロック」と呼ばれる手法。

短いパルスを作り出せることから、ピコ秒レーザーやフェムト秒レーザーに用いられています。

パルスレーザーのメリット

パルスレーザーのメリットとして、瞬間的に対象物へレーザーを当てることを高速で繰り返すため、レーザー加工時の熱が対象物に蓄積されにくく温度上昇や熱影響を抑えやすいといったことが挙げられます。熱影響を与えにくいということはダメージを低減できるだけでなく、クラックやバリ、やけといった仕上がりの品質低下も防ぎやすくなります。

パルスレーザーのデメリット

熱ダメージを抑えて微細なレーザー加工を実現できるパルスレーザーですが、適切なレーザー照射の条件を確定させるための時間がかかりやすいという点はデメリットです。

そのため、素材が変わるたびに最適な条件を改めて調節しなければならず、作業時間が長引きやすいことから、大量生産などには適していないことも重要です。

パルスレーザーの導入目的

パルスレーザーが使用されているのは、何もレーザー加工機の発振器や非破壊検査光波測距儀など、産業用工業用ばかりではありません。

さまざまな業種で用いられており、特に医療現場では、医療用メス・顕微鏡、そして皮膚科でのシミやアザの除去にと活躍しています。

レーザー溶接

パルスレーザーはそれぞれのパルス幅によって繰り返されることが特徴であり、照射時間に対して一定間隔でレーザーの出力が変化しています。そのためパルス幅やパルス間隔などを対象素材に応じて最適化することにより、余計な熱影響や熱変形を抑えながら溶接加工といったレーザー加工を再現することが可能です。

パルスレーザーは機械加工や工業用品の製造工程などにおけるレーザー溶接加工に利用されており、素材に合わせて出力や励起方式を選択することが肝要です。

レーザー切断

レーザー溶接と同様に、レーザー切断においてもパルスレーザーを搭載したレーザー加工機は広く利用されています。

レーザー切断においても素材に対する熱ダメージや変形は加工品質に影響する要素となるため、デメリットやリスクを低減しながら加工メリットを高めたい場合にパルスレーザーは有効です。

医療用レーザー

パルスレーザーの強みとして、パルスを調節することでレーザー光の強度や透過率などを調節できる点が挙げられます。

レーザーは外科治療や美容医療など医療分野においても活用されていますが、人体へレーザーを照射する場合、目的の部位への治療効果を高めつつ、その他の範囲に対する作用を抑えるといったバランス調整が重要です。

パルスレーザーはレーザーが作用する範囲を調節できるため、安全性と治療効果の両立を追及したい医療分野において活用されています。

超短パルスレーザー・高出力レーザー

長波長のレーザー光を短波長へ変換することで、レーザーの出力を励起状態から高めることが可能です。

この仕組みを利用してパルスレーザーは超短パルスレーザーや高出力レーザーといった目的にも応用されており、極めて強力なレーザーを必要とするレーザー加工や科学実験においても幅広く使われています。

微細加工・レーザーアブレーション

レーザーアブレーションとは、レーザーを対象素材へ照射することで、瞬間的にエネルギーを伝達して対象の格子運動を加速させ、素材の原子や分子などが爆発的に放出される現象です。

通常のレーザー切断やレーザー溶接といったレーザー加工に対して、レーザーアブレーションはより微細・微少な範囲で加工することが可能であり、また放出された元素や粒子を活用して薄膜を形成したり元素分析を行ったりと幅広い目的で利用されています。

パルスレーザーやレーザーアブレーションの応用幅は広く、産業分野や工業分野のみならずレーザー核融合など新しいエネルギー供給システムの基盤技術としても期待されています。

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