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超短パルスレーザー

超短パルスレーザーは繊細な加工ができるレーザーです。超短パルスレーザーとはどのようなレーザーなのか、特徴や適した用途などをまとめました。

「超短パルスレーザー」とは

パルス幅がフェムト秒~ピコ秒オーダーのレーザーのことです。フェムト秒レーザーやピコ秒レーザーとも呼ばれています。1フェムト秒は1000兆分の1秒のことで、1ピコ秒は1兆分の1秒のことです。超短パルスレーザーの特徴を確認しましょう。

超短パルス性

超短パルスレーザーの特徴に超短パルス性があります。非常に短い時間にパルスが発生しているということ。さらに、フェムト秒という超高速性も兼ね備えています。対象物の熱損傷を軽減できるのが特徴。高速な分子振動や化学反応の過程を計測できます。

超高強度性

平均出力が小さくても、ピーク強度が極めて大きい超高強度性も特徴です。フェムト秒レーザーのピーク出力は、ペタワット級。超高強度性を活用すると、ガラスの内部加工ができます。

超広帯域性

超短パルスレーザーのスペクトル分布幅は超広帯域。広帯域なコヒーレント光を生成できます。

特徴

超短パルス性、超高速性、超高強度性、超広帯域性という特徴から、熱ダメージが少ない加工が実現します。バリが発生せず、品質の良い加工が可能です。

向いている用途

超短パルスレーザーに向いている用途は、繊細な加工です。薄膜材の切断や微細穴加工、マーキング、多層材への加工、表面改質(撥水加工)に使われています。

超短パルスレーザーとほかの加工方法を比較

加工
方法
精度 材質 コスト/量産性 板厚
超短パルスレーザー
非常に高い。高精度な超微細加工が可能

硬度が高いダイヤモンドから脆いガラス、軟らかい樹脂まで対応可能

コストが高く、量産には向かないが、専用機なら量産も可能
T=0.01~1.0mm
CO2レーザー
鉄製品の加工品質は高い。複雑な切断も可能

幅広いが、アルミニウムや銅など反射が強い金属には不向き

量産には向かないが、金型が不要で比較的安価。広く普及している
T=0.15~6.0mm
切削加工
非常に高く、ミクロン単位の加工も可能

特に制限はないものの、樹脂やチタンなど軟材質の加工は難しい

加工に時間がかかるため、大量生産には不向きでコストも高い
T=0.5mm~
プレス加工
バリや反りが発生しやすい。金型の形状に制限がある

幅広い金属に対応できるが、硬い材質は×

初期費用は高いが、製作コストは安く大量生産にも向いている
T=0.3~5.0mm
エッチング
非接触加工のためバリや歪みが発生しない。薄板への加工に適している

腐食性のある素材に限られるが、チタンやアルミといった難削材も可能

初期費用・製作コストが安価で、 1個~数万個の生産に向いている
T=0.005~1.0mm

超短パルスレーザーの発振原理

直接変調法(発生可能なパルス幅:~ns、~ps)

直接変調法はLDの電流制限を直接ON/OFFすることで、パルス光を発生させる方法です。パルスの波形を制御できるのが特徴で、任意のパルス幅(ps~ms)に変更することが可能。CWレーザーよりも熱影響を抑えられるので、穴あけ加工や光通信によく用いられます。

外部変調法(発生可能なパルス幅:~ns、~ps)

外部変調器を使って、CWレーザーのビーム出力を間接的にON/OFFすることで、パルス光を発生させる方法です。より高出力のレーザーを得る際に使用され、ほとんどの高出力または高周波数の発振器には外部変調法が用いられています。発生可能なパルス幅は直接変調法と同程度です。

モード同期法(発生可能なパルス幅:~ps、~fs)

モード同期法は、なるべく多くの波長の位相を合わせることにより、幅広い波長を含んだ強く短いパルス幅のレーザーを発生させる方法です。超短パルスレーザーの発振原理のなかでも、最も短いパルス幅が得られます。位相の合った強い光を抜き出す代表的な方法は、SAM(可飽和吸収ミラー)などの可飽和吸収体を使った方法、またはKerr効果とスリットを使ったKerrレンズモード同期の2つです。

モード同期法の応用として非加熱加工や非線形光学分野、テラヘルツ光、スーパーコンティニューム光源の種光としても用いられています。

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