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レーザーで加工できる布・生地とレーザー加工の種類

目次
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このページでは、布や生地を対象としてレーザー加工を行う際のポイントや、レーザー加工に適した布・生地の種類、特徴などをまとめて解説しています。レーザー加工に適さない布・生地も紹介していますので参考にしてください。

布・生地にできるレーザー加工

布・生地は一般的に様々な繊維を織り込んで作られている素材であり、綿やウールのような天然素材の繊維が使われているものもあれば、ポリエステルやナイロンのように人工的に作られた化学繊維が使われているものもあります。

そのため、布や生地が持つ素材ごとの特性を理解し、それに適したレーザー加工方法を選定することが重要となります。

カット・裁断

レーザー光を一点に収束させてエネルギーを集中させることで、布や生地の繊維を焼き切ったり溶融させたりしながら、狙い通りの形状に裁断することが可能です。生地の厚さに合わせてレーザーの出力を調整することがポイントです。

ハサミで裁断する場合と異なり、レーザー加工による裁断では生地の断面がほつれにくいといったメリットもあります。また、局所的にレーザーを照射して穴あけを行うことも可能です。

彫刻・マーキング

レーザー加工機の出力を調整することで、布・生地の表面に任意のデザインやロゴ、写真やイラストなどを彫刻・マーキングすることもできます。

インクを使用するプリントと異なり、レーザー加工では素材そのものを変性させてデザインを表現するため、こすれや洗濯によって色が落ちにくいといった特性もあります。

また、デニム生地へのダメージ加工などに用いることも可能です。

レーザー加工の長所

切断面のほつれが発生しにくい

ハサミなどのように局所的な圧力をかけて繊維を切り落とすのでなく、レーザー加工ではレーザーのエネルギーによって繊維を焼き切ったり溶かしたりして裁断することがポイントです。そのため、切断時に繊維が引っ張られることがなく、切断面のほつれやほころびも生じにくいといったメリットがあります。

特に熱で溶かして裁断する合成繊維ではほつれが生じにくく、後処理が簡単になることは重要です。

複雑な加工が可能

あらかじめ専用のデザインソフトなどによって作成したデータにもとづき、レーザー加工機が目的のデザインを再現します。そのため、人間の技術では困難とされる精密なデザインでもカットしたりマーキングしたりすることが可能です。

非接触加工が可能

レーザー加工の場合、レーザーを素材へ照射して加工する時に布・生地を押さえつけて固定する必要がありません。そのため、繊細な素材であってもダメージを与えたり、シワを作ったりせずに加工することができます。

レーザー加工できる布・生地の
種類

天然繊維・天然生地

天然繊維とは、綿や麻といった植物や、ウール(羊)やシルク(絹)といった動物の毛など、天然原料を素材とする繊維の総称です。また、皮革製品のように動物の皮を素材としている天然生地もあります。

天然繊維や生地は、一般的にレーザー加工で裁断したり彫刻したりすることができます。ただし、生地によって断面の熱変成や変色が起きやすくなるため、それぞれの素材の特性や厚みに合わせて出力を調整することが必要です。

なお、素材の変色をあえて加工に反映させる技術もあります。

合成繊維・化学繊維

合成繊維や化学繊維とは、人工的に合成された繊維やそれで作られた生地の総称です。ポリウレタンやポリエステル、ナイロンなど様々な人工繊維が存在しており、熱で溶けやすい合成繊維はレーザー加工との相性が良い素材として知られています。

また、レーザー裁断では熱で溶けた繊維が溶着するため、裁断面が固まってほつれないことも特徴です。

彫刻やマーキングにも適しており、表面だけを溶かして質感を変化させるといった加工も可能です。

レーザー加工できない布・
生地の種類

一般的に、天然素材の布・生地はレーザー加工に使えます。ただし、布・生地の表面へすでに塗装や加工がされている場合、レーザー加工に適さない場合もあるため、特殊な生地などの場合はあらかじめ適性を確認するようにしてください。

また、塩化ビニールのように塩素が含まれている合成繊維も加工できません。

塩化ビニールを含む素材にレーザーを照射すると有毒ガスが発生するため、事前に確認することが必要です。

【生産規模別】
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おすすめのレーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは少量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。

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引用元:smartDIYs公式HP
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レーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
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