固体レーザーとはレーザー加工機などに用いられるレーザーの1種であり、様々な鉱石や結晶体といった固体物質をレーザー媒質に用いて発振させられるレーザーの総称です。このページでは固体レーザーの特徴や原理についてまとめています。
固体レーザーとは、文字通り固体物質をレーザー媒質として利用して発振されるレーザーの総称です。二酸化炭素やアルゴン、ヘリウムネオン混合ガスなどを利用する気体レーザーに対して、固体レーザーはアルミニウムやイットリウム、ガーネットなど色々な鉱石や金属、結晶体などを利用します。
固体レーザーは単位体積に対するレーザー出力が大きくなるという特性があり、小型の共振器であっても高出力のレーザーを実現できる点が特徴です。
YAGレーザーとは、レーザー媒質として「イットリウム(Yttrium)」、「アルミニウム(Aluminum)」、そして「ガーネット(Garnet)」の3物質から構成される結晶体を利用した近赤外光の固体レーザーです。
YAGレーザーは波長が1064nmとなっており、適切な環境で出力を調整することにより、金属素材の切断や溶接、穴あけ、マーキングなど幅広い用途に対応しています。また、産業用・工業用のレーザー加工機だけでなく、美容医療やレーザー治療などに使用される医療用レーザー治療器としても利用されていることが特徴です。
ファイバーレーザーは、光通信設備の構築などにも利用される光ファイバーの中心部へ、「イッテルビウム(Yb)」という希土類元素が添加されてレーザー媒質を構成している固体レーザーです。
ファイバーレーザーとして発振される波長は1030~1100nmとなっており、レーザーの出力を高めやすくエネルギー効率にも優れている点がメリットとなります。また、それによりレーザー発振器の小型化にも適性があり、小サイズ高出力の工業用レーザーやクリニックで利用する医療用レーザーなどを開発する際にも利用されています。
工業分野では金属の切断や溶接などに利用可能です。
チタンサファイアレーザーは、人工的に製造したチタンサファイア結晶をレーザー媒質として発振する固体レーザーの1種です。
チタンサファイアレーザーの特徴として、発振可能な波長帯が670~1100nmと、市販されているレーザー発振器としては特に広いスペクトルを有することが挙げられます。一方、単一周波数で効率的に発振させるためのシステムも必要であり、光学ダイオードを利用した共振器構造を搭載していることもポイントです。
ルビーレーザーは、レーザー媒質として鉱石や宝石として知られるルビーを利用している固体レーザーであり、1960年に実用化されています。また、ルビーレーザーに使われるルビーは、人工的に合成されたルビーであり、発振される光が媒質からもイメージされるように深い赤色をした可視光線になっていることも特徴です。
ルビーレーザーの波長は694.3nmであり、他の固体レーザーと比較してパルス幅を調整しやすい点も見逃せません。そのため幅広い用途で使われており、工業分野や医療分野まで多岐にわたります。
レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは少量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。
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