ビームプロファイラとは、レーザー加工機などに用いられるレーザービームの特性を測定するための測定機器です。
そもそも同じ強度やビーム径のレーザーシステムを利用しても、レーザーを照射する条件が異なれば均一の加工品質を再現することはできません。
ビームプロファイラはレーザーのビーム径や空間強度分布などを測定することが可能であり、これらの結果を参照してレーザー特性を把握することで、対象となる空間内でレーザーが安定品質を得られるよう検討することが可能となります。
任意の対象にレーザービームを照射した際、加工ポイントにおけるレーザーの影響はレーザービームの空間強度分布によって変化します。
ビームプロファイラはレーザービームの状態を画像化することで、レーザーの照射ポイントから加工ポイントまでを含めた空間内におけるレーザーの焦点位置やエネルギー分布、ビームの状態などを視覚化して、その変化や強度をチェックできるのが特徴です。
ビームプロファイラには大きく2つの種類が存在しており、その1つが「固定式ビームプロファイラ」です。
固定式ビームプロファイラは2D光センサーを用いてレーザービーム全体をまとめて計測し、ビームパターンや空間強度などを効率的に計測することができます。また連続光とパルス光についても計測でき、複雑なビームパターンの識別には固定式が適しています。
一方、ビームプロファイラとして固定式はシステムコストがやや高くなるといった特徴もあります。
2種類あるビームプロファイラのうち、もう一方が「走査式ビームプロファイラ」です。
走査式ビームプロファイラは固定式に対して、コスト的に比較的安価に連続光のレーザービームのパターン計測を行える計測機器であり、単一の光検出器を使って順次光強度を計測することが特徴です。
走査域は微少ビーム径の測定にも適しており、コスト面でもメリットがある反面、パルス光の測定が困難であり複雑なビームパターンの識別に適さないといったデメリットもあります。
固定式ビームプロファイラでは、ビームパターンの計測やビームプロファイルの測定方法として、2D光センサを配列した計測用CCDカメラが利用されます。
CCDカメラに対してレーザービームが照射されると、その強度分布がそれぞれの光検出器によって画像化・記録され、デジタルデータとしてコンピュータへ取り込まれるという流れです。
そしてコンピュータに取り込まれたデータは専用ソフトやアプリによって強度分布イメージとして視覚化されます。
本サイトでは自社の目的に合わせたおすすめなレーザー加工機を、生産規模別にご紹介しています。
少量生産・大量生産のカテゴリからぜひチェックしてみてください。
走査式ビームプロファイラは任意の遮蔽物をレーザービームの光軸と直交させて、それを通過したビームの強度を測定します。そのためどのような遮蔽物を利用するかによって計測法にも変化が生じる点が重要です。
ピンホール型ビームプロファイラは、光検出器に向けてレーザー光を照射する際、その光軸と直交する遮蔽物の面にピンホールを設けて、二次元的にピンホールを走査することで全体的なビームプロファイルを取得するシステムです。
ピンホールの径を縮小することで空間分解能を向上させることが可能であり、任意の形状において強度分布を測定できるため、走査式ビームプロファイラの中でも比較的複雑なビームパターンに適性があります。
スリット型ビームプロファイラは、遮蔽物にスリット(矩形型の穴)を開けておき、スリットを走査することで遮蔽物を通過してきたレーザービームの空間強度分布を測定するシステムです。
走査方向に応じて一元的強度分布を高精度で取得することが可能ですが、スリット型ビームプロファイラで二次元以上の強度分布を測定するためには多方向からのスキャニングが必要となります。
ナイフエッジ型ビームプロファイラは、遮蔽物としてナイフやカミソリの刃などを用いた走査式ビームプロファイラです。
センサーに対して照射されるレーザービームに対して、ビームプロファイラに搭載したナイフの刃によって光軸を水平に切断するような感覚で直交させ、ナイフを走査させます。ビームに対してナイフを動かすことで光強度が増減するため、この変化を測定した上でナイフの変位量を反映させることにより、ビームの空間強度分布を測定することが可能です。
レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは少量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。
レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは、大量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。