このページでは、レーザー加工機の導入プランを考える際にどのようなポイントに注目してレーザー加工機を比較検討すれば良いのか、レーザー加工機の選び方について解説しています。レーザー加工機の導入後に失敗したと思わないよう、あらかじめ注意点を把握しておきましょう。
レーザー加工機には複数の種類があり、それぞれに強みやメリット・デメリットが存在しています。そのため、そもそもどうしてレーザー加工機を導入したいのか、また導入したレーザー加工機によってどのような加工を行いたいのかなど、レーザー加工機を導入する目的や理由を明確にしておかなければなりません。
また、目的を考える場合は加工内容だけでなく、どのような条件で加工するのか、導入する場所や環境についても考えておきましょう。
レーザー加工機では加工対象となる素材や物質の種類によって出力や波長といった選ぶべきポイントが変わってきます。金属を加工したいのか、石を加工したいのか、紙や革を加工したいのか、自分がレーザー加工機によって何を加工するのかきちんと決めておくことが重要です。その他、サイズや形状も無視できません。
上述したように、材料によってレーザー加工機の適性が変わることは見逃せません。
レーザー加工機では一般的にCO2レーザーとファイバーレーザーの2つのレーザーが使われており、たとえば木材や紙、革、アクリルといった素材を加工する際にはCO2レーザー加工機が選択されやすくなっています。
一方、硬い石や金属を加工する場合、よりレーザーの強さを高められるファイバーレーザー加工機を選ぶべきと考えられるでしょう。
なお、レーザー加工機の種類によってはCO2レーザーとファイバーレーザーの両方を使えるハイブリッド型もあります。
加工対象のワークのサイズも重要なチェックポイントです。
当然ながら、大サイズのワークを加工するためには大型のレーザー加工機が必要です。一方、小サイズのワークであればデスクトップ型のような小型レーザー加工機で対応できることもあります。
大サイズ対応のレーザー加工機であれば小サイズにも対応できると考える人がいますが、重要なポイントはワークに対して適正なサイズのレーザー加工機を選ぶことです。
大サイズのレーザー加工機では出力も高くなってしまうため、小サイズのワークを小サイズ用のレーザー加工機で加工する場合よりもコストがかさんでしまう恐れがあります。
ワークの厚みも事前に検討しなければなりません。
分厚いワークを切断するためには相応の出力が必要になるため、レーザー加工機にも十分なパワーが求められます。また、そもそもレーザー加工機によって対応可能なワークの厚みの上限に差がある点も重要です。
たとえば金属加工用のハイパワーのレーザー加工機を導入しても、目的とするワークの厚みにレーザー加工機が対応していなければ、理想的な加工を実現することはできません。
また、薄いワークでも強度の高いものや硬いものであればレーザー加工機に求められるパワーも大きくなっていきます。そのため厚みと同時に強度もチェックしておきましょう。
レーザー加工機によってどんな加工をしたいのかは最初に考えるべきポイントです。
レーザー加工と一口に言っても切断や彫刻、マーキング、穴あけなどさまざまな加工が存在しており、また切断だけでも複数の仕上げ方があります。
主目的とするレーザー加工の内容は、レーザー加工機を選ぶ際に最も重要なポイントになる項目の1つです。
レーザーによって切断加工をしたいのか、彫刻をしたいのか、あるいは表面をあまり傷つけることなく色を変えるといった加工をしたいのか、目的とするレーザー加工の内容によって選ぶべき加工機の種類も変わります。
また、複数のレーザー加工を同時に行いたいといったニーズも考えられるでしょう。
加工品質として求めるレベルも考えるべきポイントです。
加工後に改めて表面加工や塗装などを行うからと、レーザー加工ではひとまず切断さえできれば良いのか、それとも加工面について高精度の仕上がりを求めるのか、加工品質によってレーザー加工機のグレードや出力も変わります。
また、紙や木、革といった熱で変色する可能性があるようなワークを扱う場合、デメリットを最小限にしつつ加工品質を追求しようと思えば、相応にハイグレードのレーザー加工機を選ぶ必要が生じてくるでしょう。
レーザー加工後に表面加工を行うとしても、加工品質が低ければ研磨などの工程が増える可能性もあり、加工品質は全体の工程を意識して検討することが大切です。
生産量はレーザー加工機の加工速度によって変わってきます。高出力のレーザー加工機であれば速やかに切断できるとしても、低出力のレーザー加工機であれば同じワークの切断に一層の時間がかかるかもしれません。
個々の作業をどれだけ迅速に行えるのか、加工速度は量産体制を整える上で必ず確認しておかなければならない項目です。
当然ながら生産速度に優れていても加工品質が悪ければリスクが増える場合もあり、ワークの素材や加工内容、品質といった点も合わせてトータルのプランニングを行うようにしてください。
レーザー加工機の選び方として検討すべきポイントだけでなく、導入プランを考える際に注意すべき点も少なくありません。
加工機の比較検討や機種の選定だけでなく、導入プランそのものの注意点を理解しておきましょう。
レーザー加工機を導入する場合、加工機本体の購入費用だけでなく、その他にもいろいろなコストが発生する場合があります。
レーザー加工機を導入するスペースや環境、加工機を作動させるための電源、または既存の生産ラインとの連携など、気にすべきポイントは多岐にわたります。
目的とするレーザー加工機の設置条件が既存環境に適していない場合、設置工事のコストが高くなってしまう恐れもあり、必ずトータルコストの見積を比較検討するようにしてください。また、オプション料金や保証料、有償サポートといったものの費用も忘れてはいけません。
レーザー加工機を導入するためのスペースがきちんと確保できているのか、必ず実際の使用時を想定して確認しておくことが大切です。
仮に設置場所の広さが十分であっても、作業員がレーザー加工機を取り扱うための動線やスペースを確保できていなければ作業の効率化は困難です。
レーザー加工機を設置した後、作業現場のレイアウトや動線がどのように変化するのか、しっかりとシミュレーションした上でプランニングしていくようにします。
レーザー加工機の導入メリットとして、作業の属人性を解消して、作業効率を高めるというものがあります。しかし、せっかくレーザー加工機を導入しても扱える作業員が限られていれば、属人性は解消されず効率化を進めることも困難です。
そのため、レーザー加工機を導入する前にしっかりと操作方法や操作性を確認しておき、また導入前にマニュアルを作成して情報共有しておくことが大切です。
操作に疑問や問題が生じた際のサポート体制も合わせて確認しておきましょう。
アフターサポートを利用するとして、実際にトラブルが生じた場合にどのような手順でサポートを活用できるのか、流れを事前にチェックしておきます。問い合わせ方法についても電話やメールだけなのか、ビデオ通話などを利用できるのか、現場へ専門スタッフが休校してくれるのかといった点も重要です。
また、レーザー加工機の修理やメンテナンスが必要になった場合、代替機を提供してもらえるのかに関しても確認しておかなければなりません。
レーザー加工機は作業の効率化や省力化を目指す上で有効な産業用機械であり、導入することでさまざまなメリットを得ることができます。加えていろいろなレーザー加工機が市販されており、あるいはオーダーメイドで専用機を製造してもらうことも可能です。
多種多様なレーザー加工機があるからこそ、複数のチェックポイントに注目しながら自社のニーズや環境とマッチした製品を比較検討することが欠かせません。
UV、グリーン、1μmの3波長を自動切り替え、パルス幅は340fsから10psまで可変。各種材料に合ったレーザー光の選択&適した非熱加工が行えます。
20KWの高出力で20,000㎜/minを超える高速切断が可能、プラズマを上回る切断速度を実現。40㎜までの厚板切断に対応しています。
木材・アクリルはもちろん、紙、樹脂、革まで幅広い対象物に刻印・切断が可能。つまようじほどの細かな対象物にも微細な処理を施すことができます。