AOD(音響光学偏向器)は、超音波を利用して、レーザー加工におけるビームの強度(周波数)や出力位置をコントロールするシステムです。このページでは、AOD(音響光学偏向器)の仕組みやレーザー加工機における活用法などをまとめています。
AOD(音響光学偏向器)は超音波の作用を使って、レーザー加工機から照射されるレーザーの位置調整を精密に制御する技術であり、それを行うための専用機器やシステムを指す用語です。
レーザーが特定の媒体に入る際、媒体ごとの特性に応じてレーザービームの屈折率が変化します。これは音響光学効果と呼ばれ、AODは光学結晶内に印加する超音波の周波数や強度をコントロールすることで、音響光学効果を調節し、入力レーザーの方向を制御することが可能です。
AODを活用することでレーザーの出力位置を高精度に調整できるため、レーザー加工機の加工品質を向上させることがポイントです。
音響光学効果を制御するためのAOD(音響光学偏向器)は、大きく3つの構成要素によって構築されています。
超音波発生器はAODの中核装置であり、音響光学効果に作用する超音波(音響波)を発生させる機構です。超音波発生器によって発生された超音波は光学結晶に印加され、音響光学効果によってレーザービームの屈折率(経路)に影響を与えます。
偏向器はレーザービームの出力経路を精密に制御する装置であり、超音波発生器と光学結晶、偏向器が連携することでレーザーの出力位置を高度に制御することが可能です。
レーザー加工機やレーザー加工にAODを活用するメリットとして、次の3つが挙げられます。
AODはレーザーの出力位置を高速で制御できる装置です。そのため、レーザー加工の品質を迅速に向上させることが可能であり、レーザー加工やそれを含めた加工にかかる時間を短縮し、生産性を向上させる点がメリットです。
AODによる制御は高精度であり、任意に調整することも可能。そのため、AODはさまざまな加工やアプリケーションに対応させることができ、目的に応じて自由にカスタマイズすることもできます。
レーザー加工は非接触加工であることが1つの強みです。AODはその位置制御についてもワークに触れることなく行えます。そのため、AODはレーザー加工のメリットを維持しながら、その品質を高められることが魅力です。
AOD(音響光学偏向器)はレーザー加工の品質向上や生産性向上に適した技術でありシステムです。そのため、AODは幅広い目的で活用されていますが、一方でAODの効果やメリットを正しく得るためには高度なノウハウや技術が必要になることも無視できません。
また、広範囲の加工にはガルバノスキャナとの併用など、他システムとの連携技術も求められます。
レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは少量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。
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