金属元素の中でも、室温下での可視光線の反射率が最大という「銀(Ag)」は、美しい金属光沢によって古来アクセサリーや芸術品などの製作へ使われてきた反面、レーザー光を使ったレーザー加工へ利用する際には注意すべきポイントもあります。
金属元素の1つである「銀(Ag)」は美しい金属光沢や高い導電性・熱伝導率といった特徴を持っており、美しく磨かれた状態の銀は金属元素の中で可視光線の反射率が高いという特徴を持っています。そのため鏡のように光を跳ね返す銀は、レーザー光を照射して加工するレーザー加工の素材として加工時の注意点も少なくありません。
レーザー加工で銀を取り扱う場合、表面の反射率が高すぎることで、レーザー光のエネルギーが正しく素材へ反映されない可能性があります。同時に、銀素材の表面から反射したレーザー光が加工機へ投射されたり、周囲にいた作業員の目に入ったりといったケースも検討しましょう。
反射されたレーザー光は機械の破損や故障の原因になり、万が一作業員に当たれば深刻な労働災害へ発展するおそれもあるでしょう。
本サイトでは銀加工におすすめなレーザー加工機を、生産規模別にご紹介しています。
少量生産・大量生産のカテゴリからぜひチェックしてみてください。
UVレーザーは紫外線(ウルトラバイオレット:ultraviolet)の波長領域(355nm)をもつレーザーであり、紫外線は可視光より波長が短くX線よりも長いことが特徴です。
UVレーザーのメリットとして、様々な素材に対する吸収率が、グリーンレーザーやファイバーレーザーといった他のレーザーと比較して優れている点が挙げられます。
そのため、反射率が高くてエネルギー吸収に難点がある銀素材では、UVレーザーが適しているケースも少なくありません。
UVレーザーは効率的に素材へレーザー光を吸収させて、熱ダメージなどによる悪影響リスクを抑えつつ、精密な印字やマーキングを行えることがポイントです。そのためUVレーザーを使った加工としては記号の印字やロゴの印字といったマーキングが適しており、レーザー加工機として高出力モデルを採用しなくても、高効率の加工を再現することが可能です。
ファイバーレーザーは光ファイバーによってレーザー光を収束させる固体レーザーの1種であり、コアに希土類元素を添加した光ファイバーを使ってレーザーのエネルギーを増幅させます。
ファイバーレーザーはメンテナンス性に優れており、エネルギー効率が高いため、ランニングコストを抑えた高出力のレーザー光を実用化できることがポイントです。
高出力のレーザー光により彫刻や切断、溶接など幅広い加工を行うことができます。
ファイバーレーザーは高出力のレーザー加工を行えるため、例えば銀の薄板を切断したり、銀素材の部品の表面に彫刻やマーキングを施したりといったことが可能です。
ただしファイバーレーザーの吸収率はUVレーザーに劣るため、レーザーの加工品質や精度を高めるためには適切な出力の計算や素材特性の把握、また事前の準備も必要となります。
特に穴あけ加工といったレーザー加工については、通常の銀素材では難易度が高くなるかも知れません。
銀は高い反射率と熱伝導率の高さが特徴で、レーザー光が反射しやすく、熱が急速に拡散するため、加工面のムラや材質への負荷が大きくなりやすいです。そのため、レーザーの出力や照射方法の調整が必要不可欠。加工時の酸化や変色を防ぐには、アルゴンなどの不活性ガスの使用や事前の表面処理などが必要です。加工機内を保護するため、適切な対策やメンテナンスを怠らないことが長期的な稼働のキーとなります。
本サイトではレーザー加工機の導入を検討している企業向けに、「少量生産」「大量生産」の生産規模別におすすめのレーザー加工機をご紹介。
さらに加工対象となる「銀素材」に適した機種を厳選して掲載していますので、ぜひ参考にしてください。
レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは少量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。
レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは、大量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。