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レーザーで加工できる紙とレーザー加工の種類

目次
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このページでは、紙をレーザー加工する場合の注意点や、紙に対して行えるレーザー加工の種類・特徴などをまとめて解説しています。紙素材とレーザー加工との関係性を理解して、目的に合った加工方法を検討していきましょう。

紙にできるレーザー加工

紙はレーザー加工によってカットしたり、目的のデザインを印字したりと様々なレーザー加工を利用できる素材です。一方で、紙の種類によっては、適切なレーザー加工の方式や条件を慎重に検討する必要がある場合もあります。そこで、まずは紙に行えるレーザー加工の代表例を確認していきましょう。

カット(フルカット)・穴あけ

紙はレーザーによってカットしやすい素材の1つです。レーザーカットであれば、紙を目的の形状に容易に裁断できるうえ、あらかじめデザインソフトなどで設計しておけば、複雑な形状であっても問題なく加工することが可能です。

紙の一部だけに穴を開けるといったことも可能です。

ただし、紙は素材によって厚みや特性が異なるため、理想の仕上がりを叶えるにはそれぞれに適したレーザーの調整も必要です。

ハーフカット(キスカット)

ハーフカット(キスカット)とは、紙を完全に裁断するのでなく、例えば紙の厚みの半分までカットしたり、多層構造を持つ紙の表面層だけを除去したりといった裁断方法です。

具体例としては、接着面(印刷面)と台紙が一体になっているシール用紙に対して、出力調整したレーザーによって接着面だけをカットして、下層の台紙はカットしないといったことが可能です。

ミシン目加工

ミシン目加工は破線加工や点線加工とも呼ばれ、任意のラインにミシン目の切り込みを入れて、紙を切り出しやすくする加工です。

ミシン目加工は日常的に多く見られる加工であり、穴の大きさや形状は目的の製品によって異なります。また、レーザー加工であれば手作業では再現困難な微細加工が可能であり、マイクロミシン目加工といった仕上がりを選択することもできます。

彫刻

紙の表面だけをレーザーによって除去し、凹凸を作り出すことで任意のデザインやロゴなどを彫刻することが可能です。また、レーザーの熱で紙を焦がし、インクを使わなくても色によるグラデーションを再現するといった方法もあるでしょう。

印刷するデザインもグラフィックソフトで作成できるため、複雑な形状のデザインでも再現しやすいことがポイントです。

レーザー加工の長所

金型や刃物が不要

レーザー加工の場合、紙の裁断に刃物が必要ありません。そのため、徐々に刃が摩耗していくといったこともなく、定期的に刃やパーツを交換するといった手間やコストが不要です。

また、切り出しのために金型などを作成する必要もないため、総合的なコストカットへつなげられることも、紙をレーザーで加工することのメリットです。

複雑な形状や精密なデザインの
加工も可能

レーザー加工はあらかじめ作成したデザインデータにもとづいて加工が実行されるため、複雑な形状のデザインや微細なデザインであってもシステムによって再現できることがメリットです。

ハサミを使った手作業では再現することが困難なサイズのカッティングでもレーザー加工であれば実現できます。

材料を固定する必要がない

レーザー加工では、レーザーのエネルギーによって一瞬で任意の部位を処理するため、紙をあらかじめしっかりと固定する必要がありません。そのため加工時間の短縮や作業効率化を叶えられます。

ただし、適正なレーザー加工を行う上で、加工前の位置調整といった設定は重要です。

レーザー加工に適した紙の
厚み・種類

レーザー加工に使える紙は、使用するレーザーの種類や出力によって変動します。

レーザーの出力が強ければ0.5mm以上の厚紙でもカットすることが可能ですが、出力を上げるほどに焦げや変色といった現象が起こりやすくなるかも知れません。そのため、加工後の仕上がりも考慮しながら素材と出力をマッチングさせることが必要です。

ただし、特殊インクが塗られた紙など、場合によっては加工が難しいこともあります。

紙をレーザー加工する際の
ポイント

必ずテスト加工を行う

紙の種類やレーザーの出力設定などを変えた場合、必ず事前にテスト加工を行って状態を確認しなければなりません。

場合によってはレーザーのパワーが強すぎて、白い紙が変色してしまうといったリスクもあります。逆に、パワーが弱くて完全にカットできないといったケースも考えられるでしょう。

テスト加工の結果に合わせてレーザーの設定等を再調整したり、紙の選定をやり直したりします。

加工テーブルに紙を直接
置かない

加工テーブルに紙を載せた状態でレーザーを当てると、テーブルに反射したレーザーが焦げを生じさせたり、発生した煙が紙を変色させたりといったデメリットが起こりやすくなります。

そのため、紙をレーザー加工する場合はアクリル板で紙を挟んだり、あらかじめ用意した治具の上に紙を置いたりといった工夫が大切です。ただし固定作業が複雑化するとレーザー加工のメリットが損なわれるため、利用しやすい方法を検討していきましょう。

加工は裏側から行う

紙の表面にレーザーで彫刻やプリントを施す加工を除いて、紙へのレーザー加工は一般的に裏側からのアプローチとなります。これは、レーザーによる加工面への変質リスクを軽減するためです。

ただし、紙に塗られているインクの種類によってはレーザーを直接に当てた方が美しい仕上がりを得られる場合もあり、あらかじめテスト加工を行って適した方法を見極めます。

なお、土台に反射したレーザーが裏面を変色させないような注意も必要です。

【生産規模別】
少量生産で
おすすめのレーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは少量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。

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bodor
bodor
引用元:レーザーコネクト公式HP
(https://www.laserconnect.co.jp/products/bodor_i.html)
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こんな現場におすすめ
  • 鉄工所
  • 金型工場
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CryLaS
CryLaS
引用元:日本レーザー公式HP
(https://www.japanlaser.co.jp/product/crylas_fqcw266-series/)
  • UVレーザー
こんな現場におすすめ
  • プリント基板工房
  • 研究機関
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smartDIYs
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引用元:smartDIYs公式HP
(https://www.smartdiys.com/etcher-laser-pro/)
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こんな現場におすすめ
  • 革製品工房
  • ガラス工房
  • 雑貨製造業
  • オーダーメイド製作業など
【生産規模別】
大量生産向けの
レーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは、大量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。

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引用元:三菱電機公式HP
(https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/mecha/laser/pr/fv/index.html)
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  • 自動車部品製造業
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引用元:ビアメカニクス公式HP
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  • 電子部品工場
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引用元:AIZ公式HP
(https://www.aizmachinery.jp/jadc-1007-150)
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こんな業種におすすめ
  • 家具工場
  • 木工メーカー
  • インテリア製造業など