レーザー加工機導入ガイド » レーザー加工機の種類 » UVレーザー(紫外線レーザー)

UVレーザー(紫外線レーザー)

目次
全て表示

このページでは、UV(Ultraviolet:紫外線)を利用したUVレーザー(紫外線レーザー)について、その特性や活用法、メリットなどをまとめて解説しています。レーザー加工機の導入を検討されている方は、仕組みを理解するための情報として参考にしてください。

UVレーザー
(紫外線レーザー)とは

UVレーザー(紫外線レーザー)とは、文字通り「UV(Ultraviolet:紫外線)」を利用したレーザー発振器です。

そもそもUVは人間の可視広域「波長域380~750nm」を下回った波長を持っている範囲を指します。なお、波長380nmは人の目に紫色として映っており、「紫色の外側にある光線」という意味で「紫外線」という言葉が設定されました。

UVレーザー(紫外線
レーザー)のメリット・長所

集光径が小さく、微細加工が可能

一般論として、レーザー光はレンズによって集光した際、その光線が持つ波長程度まで絞ることが可能となります。つまり、波長の長い赤外線に対して、波長の短い紫外線(UV)を使ったレーザーはより集光径を絞って微細な加工を実現できることが特徴でありメリットとなります。

吸収率が高く、高効率な加工が
可能

基本的に、光の持つエネルギーはレーザーの波長に反比例することが知られていることも重要です。つまり、波長の短いUV(紫外線)を利用するUVレーザーは、高エネルギーの光を効率的に活かせるレーザー機器と位置づけることができます。

たとえば、非常に硬度の高いダイヤモンドでさえも、UVレーザーを用いれば直接加工することが可能になります。さらに、ハイパワーでありながら微細な加工を得意とする特性から、UVレーザーは加工面の仕上がりを滑らかに保てる点も注目すべき特徴です。

UVレーザーはレーザー光の吸収率が高いため、YAGレーザーでは光が透過してしまうようなサファイアでも、確実に光が集光・吸収され、精密な加工を行うことが可能です。

内部への透過が抑えられ、
ダメージが少ない

UVレーザーは反射率や透過率の高い物質であっても効果的に光を吸収させて加工できるため、そもそも過剰な出力で照射するといったことが必要ありません。また熱ダメージを与えにくいことも特徴です。

UVレーザーは対象物へのダメージを軽減しつつ効果的なレーザー加工を進められる、一石二鳥のレーザーと考えられます。

UVレーザーが得意なこと

UVレーザーは波長が短いため、非常に小さなスポットサイズで高いエネルギー密度を実現できる点が特徴です。熱影響を最小限に抑えながら加工できるので、プラスチックやガラス、セラミックスなど、熱に弱い素材や微細加工が必要な部品でもバリや変形が少なく仕上げられます。高精度なマーキングや彫刻に対応できるため、半導体部品の刻印や電子基板の微細なカットなど、精密さが求められる分野で活躍します。

UVレーザーが苦手なこと

UVレーザーはパワーが比較的低いため、厚みのある金属板や面積が大きい加工を必要とする用途には向いていません。切削スピードが遅くなったり、深い切り込みが難しかったりするため、大出力で一気に削り取る加工にはコストや時間がかかりがちです。

装置自体の導入コストやメンテナンスの手間も高めなので、幅広い素材を一台でこなしたい場合や、量産ラインで高いコストパフォーマンスを求めるケースでは、費用が適切かどうか事前に確認しましょう。

こんなケースはUVレーザーで
加工

樹脂やフィルム素材を扱う医療機器部品の加工では、熱による変形を避けながら微細な形状を成形する必要があります。そのような場合はUVレーザーの高精度な照射が適しています。電子基板や半導体パッケージの高精度なカット・穴あけ・マーキングなど、熱ダメージを最小限に抑えながら細部まできれいに仕上げたい用途にもぴったりです。ガラスやセラミックスといった硬質かつ繊細な素材でも、繊細なデザイン加工が可能な点が魅力です。

企業の製品例

以下では、Googleで「UVレーザー 加工機」と検索し(2025年2月28日調査時点)検索結果の1番目に表示された企業が扱うUVレーザーをご紹介します。

ComMarkerのUVレーザー

ComMarkerのUVレーザー
引用元:ComMarker公式HP
https://commarker.jp/products/uvlaser-commarker-omni1

ComMarker Omni 1は、多様な素材に対応する次世代UVレーザー彫刻機です。焼け焦げを防ぎ、最大10,000mm/sの高速彫刻を実現。高精細な加工が可能で、電動リフトと軽量設計で使いやすい製品です。

スペック

製品名 Omni 1
寸法 W640xD350xH700mm
重量 23.5kg
レーザー 紫外線(UV)
レーザー駆動方式 ガルバノ方式
レンズ(加工エリア) 70x70mm,150x150mm
レーザー (波長)355nm (スポット径)0.0019mm
レーザークラス クラス4
ライン幅 0.0019 - 0.03mm
彫刻速度 最速10,000mm/s
対応ファイル形式 AI、PLT、JPG、DXFなど
対応ソフトウェア EzCad2, LightBurn
対応OS Windows 7/8/10/11(EzCad2),Windows/MacOS(LightBurn)
電動昇降機能 あり
レーザーパワー 5W
冷却システム 空冷
電源 100-240V, 50/60HZ
【生産規模別】
少量生産で
おすすめのレーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは少量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。

金属なら
切断・穴あけ・ノッチングを
2000万円台で実現
bodor
bodor
引用元:レーザーコネクト公式HP
(https://www.laserconnect.co.jp/products/bodor_i.html)
  • ファイバーレーザー
こんな現場におすすめ
  • 鉄工所
  • 金型工場
  • アクセサリー制作
  • デザイン事務所など
電子部品なら
M2値も1.3未満
熱影響を抑えた精密加工
CryLaS
CryLaS
引用元:日本レーザー公式HP
(https://www.japanlaser.co.jp/product/crylas_fqcw266-series/)
  • UVレーザー
こんな現場におすすめ
  • プリント基板工房
  • 研究機関
  • 時計工房など
非金属なら
         
1台で木材・アクリル・ガラス
対応し、ものづくりの幅が広がる
smartDIYs
smartDIYs
引用元:smartDIYs公式HP
(https://www.smartdiys.com/etcher-laser-pro/)
  • CO2レーザー
こんな現場におすすめ
  • 革製品工房
  • ガラス工房
  • 雑貨製造業
  • オーダーメイド製作業など
【生産規模別】
大量生産向けの
レーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは、大量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。

金属なら
独自の発振器とビーム制御で
バリを低減
し、高品質加工を追求
三菱電機
三菱電機
引用元:三菱電機公式HP
(https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/mecha/laser/pr/fv/index.html)
  • ファイバーレーザー
こんな業種におすすめ
  • 自動車部品製造業
  • アルミ・ステンレス加工工場
  • プラント機器製造工場など
電子部品なら
ピコ秒発振器とφ20μm以下の
Cu-Direct加工
で極小径加工を実現
ビアメカニクス
ビアメカニクス
引用元:ビアメカニクス公式HP
(https://www.viamechanics.com/products/laser/1582/)
  • UVレーザー
こんな業種におすすめ
  • 電子部品工場
  • FPCメーカー
  • プリント基板製造など
非金属なら
アクリルや、木材、骨角まで
素早くダブルヘッド同時加工
AIZ
AIZ
引用元:AIZ公式HP
(https://www.aizmachinery.jp/jadc-1007-150)
  • CO2レーザー
こんな業種におすすめ
  • 家具工場
  • 木工メーカー
  • インテリア製造業など