微細加工

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微細加工とは

微細加工とは、マシニングセンタやレーザー加工機など専用の工作機械や工具などを使って、金属や樹脂の材料に微細な加工を行うことを指します。目では確認できないほど非常に細かな寸法の加工が求められ、加工の精度を高めるための温度・湿度管理や振動対策といった環境の構築も必要です。

微細加工と似たような言葉に精密加工がありますが、精密加工は加工状況が可視化できるのに対し、微細加工は加工の状況が肉眼では確認できません。そのため、精密加工よりも技術者の経験と想像力が重視され、さらに機械の精度・温度管理もより厳しく行わなければいけないという違いがあります。

微細加工で重視するポイント

微細加工を行う上で注意すべきポイントは以下の通りです。

  • 高精度な加工機
    使用する加工機械の精度の高さが非常に重要な要素となります。たとえばミクロン単位での加工が求められる微細穴や微細溝では、高精度な加工を実現するためのマシニングセンタが必要です。
  • 温度管理
    微細加工の対象となる樹脂や金属には、温度変化によって膨張・収縮するという特性があります。温度変化による影響を防ぐには、一定の温度環境下での加工・測定が必要です。そのため、切削条件やクーラントの管理、恒温室の準備などが求められます。
  • 振動対策
    周囲からの微細な振動でも加工の精度に影響するため、振動対策が重要です。微細加工機を設置する際は床面を掘って基礎を作り、ほかの加工機などから発生される振動の影響を軽減したり、防振台を設置したりするなどが必要になります。
  • 高精度な測定機器
    微細加工では寸法精度や極小な加工が求められるため、CNC画像測定器をはじめとした高性能な測定機器が必要です。
  • 材質の選択・管理
    微細加工を行うには、材質の特性を理解したうえで、用途に応じた材質の選択および管理が重要となります。たとえば樹脂のような湿度によって寸法が変わってしまう材料の場合、湿度の影響を受けないように防湿庫で管理するなどの対策が必要です。

機器別の微細加工

レーザー

レーザー光線を用いて材料を融解または除去する加工法で、目的に応じて曲線切断や穴あけといった自由度の高い微細加工を行えるのが特徴です。微細加工で用いられるレーザー光の種類には主に近紫外線レーザーや遠紫外線、超短波パルスレーザーがあり、出力の大きさやパルス幅が異なります。

なかでも低温で加工できる超短波パルスレーザーは、ほかのレーザー光に比べて熱による損傷が少なく、ガラスなどの加工が難しい材料にも微細加工を行うことが可能です。

切削機械

切削や研削で微細加工を行う場合に用いられる加工機です。切削や研削による微細加工は、一般的に耐久性があって切れ刃の鋭い専用の工具を使用します。立体的な形状を成形できる一方で、加工時に発生したバリや切粉が悪影響を及ぼす可能性があるのが難点。また、薄くて柔らかい材料だと変形しやすいため、加工機の使用方法や材料に対する知識などのノウハウが求められます。

マシニングセンタ

微細加工でよく用いられる加工機の1つで、ATC(自動工具交換装置)を備えているのが特徴です。機器内に複数の工具が格納されており、マシニングセンタ1台でフライス削りや穴あけ、ねじ立てといった加工を行うことができます。

放電加工機

切削や研削による加工だと歪みが発生しやすい材料に対しては、放電加工機を用いて加工を行います。放電加工とは電極と材料の間に放電を起こし、生じる熱で材料を溶かしながら加工する方法です。導電性があれば、超硬合金のような硬い材料でも加工が可能。ただ、放電加工だと放電痕で加工面が荒くなりやすいため、仕上げに研磨が必要になる場合があります。

本サイトでは自社の目的に合わせたおすすめなレーザー加工機を、生産規模別にご紹介しています。
少量生産・大量生産のカテゴリからぜひチェックしてみてください。

微細加工が使われる製品

微細加工技術が用いられている製品には、以下のものがあげられます。

  • 半導体
    パソコン、スマートフォン、薄型テレビ、自動車、音楽プレイヤー、デジタルカメラ
  • 液晶ディスプレイ
    パソコン、スマートフォン、薄型テレビ
  • MEMS(微小電気機械システム)
    パソコン、スマートフォン、薄型テレビ、自動車、音楽プレイヤー、デジタルカメラ
【生産規模別】
少量生産で
おすすめのレーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは少量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。

金属なら
切断・穴あけ・ノッチングを
2000万円台で実現
bodor
bodor
引用元:レーザーコネクト公式HP
(https://www.laserconnect.co.jp/products/bodor_i.html)
  • ファイバーレーザー
こんな現場におすすめ
  • 鉄工所
  • 金型工場
  • アクセサリー制作
  • デザイン事務所など
電子部品なら
M2値も1.3未満
熱影響を抑えた精密加工
CryLaS
CryLaS
引用元:日本レーザー公式HP
(https://www.japanlaser.co.jp/product/crylas_fqcw266-series/)
  • UVレーザー
こんな現場におすすめ
  • プリント基板工房
  • 研究機関
  • 時計工房など
非金属なら
         
1台で木材・アクリル・ガラス
対応し、ものづくりの幅が広がる
smartDIYs
smartDIYs
引用元:smartDIYs公式HP
(https://www.smartdiys.com/etcher-laser-pro/)
  • CO2レーザー
こんな現場におすすめ
  • 革製品工房
  • ガラス工房
  • 雑貨製造業
  • オーダーメイド製作業など
【生産規模別】
大量生産向けの
レーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは、大量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。

金属なら
独自の発振器とビーム制御で
バリを低減
し、高品質加工を追求
三菱電機
三菱電機
引用元:三菱電機公式HP
(https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/mecha/laser/pr/fv/index.html)
  • ファイバーレーザー
こんな業種におすすめ
  • 自動車部品製造業
  • アルミ・ステンレス加工工場
  • プラント機器製造工場など
電子部品なら
ピコ秒発振器とφ20μm以下の
Cu-Direct加工
で極小径加工を実現
ビアメカニクス
ビアメカニクス
引用元:ビアメカニクス公式HP
(https://www.viamechanics.com/products/laser/1582/)
  • UVレーザー
こんな業種におすすめ
  • 電子部品工場
  • FPCメーカー
  • プリント基板製造など
非金属なら
アクリルや、木材、骨角まで
素早くダブルヘッド同時加工
AIZ
AIZ
引用元:AIZ公式HP
(https://www.aizmachinery.jp/jadc-1007-150)
  • CO2レーザー
こんな業種におすすめ
  • 家具工場
  • 木工メーカー
  • インテリア製造業など