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レーザーカラーマーキング

色を塗らずに発色が可能な加工

カラーマーキングとはレーザー加工機を使った金属素材に対する表面加工の1種であり、具体的にはインクなどの塗料を使うことなく、素材の表面に任意の色を着色・発色させる技術です。

ただしカラーマーキングを施せる素材はステンレスやチタンといった金属素材である、全ての金属元素や非金属に対してレーザーで色を付けられる技術ではありません。

色が表現できる仕組みは、金属素材の表面にレーザーで酸化被膜を形成させ、そこを透過して金属素材の表面で反射する光と、酸化被膜上で反射する光の相互干渉を引き起こし、人間の目に「色」として映る結果を調整するというものです。

そのため実際に色が塗られているのでなく、酸化被膜などの仕上がりによって「色が塗られているように見える」という点が重要です。

素材となる金属の品質と表面仕上げがポイント

ステンレスやチタンの表面にレーザーで酸化被膜を発生させて、その影響によって反射する光の波長をコントロールし、結果的に色として再現することがカラーマーキングの加工ポイントです。

言い換えれば、素材の表面に施される酸化被膜の品質や素材そのものの形状などによってカラーマーキングの品質や色の再現度は変わってしまいます。

そのためカラーマーキングを適切に行うには、レーザー加工の技術だけでなく仕上げ処理といった工程も大切です。

カラーマーキングの発色に影響する条件

表面処理の粗さ

カラーマーキングの品質は金属表面に存在する酸化被膜の影響を受けるため、言い換えれば金属素材の表面の状態によって酸化被膜やカラーマーキングの再現度が左右されます。

例えば素材の表面の研磨処理などが不十分で粗い状態になっている場合、表面の凹凸の深さが酸化被膜の厚さより超えてしまうと、必然的に加工部分の全体を均一なカラーとして発色させることは困難です。また素材表面が粗くて光が乱反射すれば、カラーマーキングとして任意の色の再現はできません。そのためカラーマーキングの品質を高めるためには表面処理が大切となります。

酸化膜の厚さ

カラーマーキングは酸化被膜を透過してから反射する光と、酸化被膜の表面で反射する光との相互作用によって生じます。また酸化被膜の厚さによって発色する色の内容も変わるため、酸化被膜の適切な厚み調整はカラーマーキングの品質を高めるポイントの1つです。

なお、酸化被膜の厚みを増やすためには一般的にレーザー加工機によって照射されるレーザーの出力を高めることが必要とされ、適切な出力設定も厚みの調整に不可欠です。

加工後の酸素吹き付け

レーザーで酸化被膜を作ることによってカラーマーキングを行う場合、当然ながら金属表面には金属元素と反応できる酸素の存在が必要となります。

レーザーを照射して素材の部位を高温状態にして、そこに酸素を吹き付けることで酸化反応を促進させてカラーマーキングによって発色される色のバランスを調整することが可能となります。また吹き付けるガスの種類で色を変えることも可能です。

レーザーカラーマーキングを行う際の注意点

まず、そもそもカラーマーキングを行える素材に対してのみ加工できるということが挙げられます。例えば木や紙といった素材の表面をレーザーで焦がして着色することができても、ステンレスやチタンのようにカラーマーキングを施すことはできません。

またカラーマーキングでは酸化被膜を形成するために十分かつ正確なレーザーの出力が必要となるため、レーザー加工機としてカラーマーキングに対応している機種やシステムを選択することも必要です。

なおカラーマーキングではラスターデータでなくベクターデータのデータ形式が推奨されます。

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