シリコンは「ケイ素(Silicon)」という元素であり、金属シリコンとして使われたり、「シリコーン樹脂」のような有機ケイ素化合物の材料になったりします。このページではシリコンとレーザー加工の関係や加工の種類・特徴を解説します。
シリコンは日本語で「ケイ素」と呼ばれる元素であり、アルミニウムや銅、マグネシウムといった金属元素と合わせて金属シリコンという素材を作ったり、ゴム素材の1種である「シリコーン樹脂(有機ケイ素化合物)」の構成元素として利用されたりと、幅広い使われ方をする物質です。
金属シリコンは半導体製造や航空機製造、工具製造などに使われ、シリコーン樹脂は医療器具や日用品など幅広い目的で利用されています。
レーザー加工はレーザー光によって滑らかで精密な切断や穴あけを実行できる方法であり、電子部品の基板製造に利用されるシリコン素材への加工にもレーザー加工は広く利用される点が重要です。反面、レーザーの出力や加工法を考慮しなければ、素材の変形などデメリットが生じやすいことは見逃せません。
なお、金属シリコンとシリコーン樹脂では全く性質が異なる点にも要注意です。
UVレーザーは紫外線領域の波長を持つレーザー光であり、紫外線(ultra violet)の頭文字を取って「UVレーザー」と表記されます。
UVレーザーの特徴として素材に対する吸収率が高く、熱ダメージを与えることなく素材への印字やマーキングといった加工を行いやすいことが特徴です。そのため製品へのダメージや影響を抑えつつ、レーザー加工を行いたい場合にはUVレーザーを発振できるレーザー加工機が適しています。
シリコーン樹脂(シリコーンゴム)への吸収率を考えると、基本波長レーザーやグリーンレーザーよりUVレーザーの方が倍以上になることが特徴です。
UVレーザーを使ってシリコーン樹脂などにレーザー加工を行う場合、例えば素材表面にロット番号や数字を印字したり、文字を刻印したりといったマーキング加工が採用されます。シリコーン樹脂は医療用チューブや工業製品のゴムチューブなどにも使われるため、微少かつ正確な印字のために精密加工に適したレーザー加工は有用性が高いといえるでしょう。
ファイバーレーザーは、希土類元素Yb(イッテルビウム)などが添加された光ファイバーを増幅媒体として採用した固体レーザーです。ファイバーレーザーは光ファイバーのコアへ添加する希土類元素の種類を変更することで、複数の出力波長を目的に応じて選択できることが特徴であり、エネルギー効率が高くて安定的な出力を再現できるといった特徴を有します。
ファイバーレーザーは微細加工や溶接、切断、光通信など様々な分野や業界で利用されていることがポイントです。
波長の短いファイバーレーザーは微少な範囲へ高密度のエネルギーを照射できることが強みであり、切断や穴あけといった加工に適しています。そのため金属シリコンを使った部品や素材のレーザー切断・カッティングを行ったり、任意の位置へピンポイントで穴あけ加工を行ったりといったことが可能です。
また出力を調節してシリコーン樹脂への刻印やマーキングといった加工を行うこともできます。
シリコンカーバイド(SiC)は、シリコン(Si)と炭素(C)によって構成される化合物であり、半導体製造の材料として使用されます。純粋シリコンと比較してシリコンカーバイドは絶縁破壊電界強度がおよそ10倍になっており、電源装置に使うことで電力変換効率を向上させ、小サイズでハイパワーの次世代パワー・デバイスの製造を実現できることがポイントです。
シリコーンゴム(シリコーン樹脂)はシリコンを構成元素の1つに持つ有機ケイ素化合物であり、医療品に使われるシリコンチューブや電子機器に使われるゴムチューブ、その他にも耐熱ゴムや防水加工材など幅広い領域・分野で使用されます。
シリコーンゴムは用途によって様々な使われ方をされるため、加工に関しても応用性が高く精密加工を行えるレーザー加工との相性は悪くありません。
UV、グリーン、1μmの3波長を自動切り替え、パルス幅は340fsから10psまで可変。各種材料に合ったレーザー光の選択&適した非熱加工が行えます。
20KWの高出力で20,000㎜/minを超える高速切断が可能、プラズマを上回る切断速度を実現。40㎜までの厚板切断に対応しています。
木材・アクリルはもちろん、紙、樹脂、革まで幅広い対象物に刻印・切断が可能。つまようじほどの細かな対象物にも微細な処理を施すことができます。