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アップコンバージョン

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アップコンバージョンとは

アップコンバージョンとは、長波長のレーザー光を短波長のレーザー光へ変換させる技術です。

そもそもレーザー光は波長が短いほど光子エネルギーが大きくなるという性質を備えており、例えば大きなエネルギーを必要とするレーザーアブレーションなどのレーザー加工技術を安定的に再現するためには、いかに短波長光を発生させるかが重要となります。

アップコンバージョンを利用することで、近赤外線といった低エネルギーの光の波長を変化させて可視光線へ変換したり、紫外線などの高エネルギーの光へ変換したりすることが可能になります。また透過度の高い長波長レーザーを目的の場所でアップコンバージョンできれば、励起光の減衰や副反応を制御しながらピンポイントで物質を励起させられると期待されていることもポイントです。

アップコンバージョンの機構

アップコンバージョンは長波長の光を、光反応剤などを活用することで短波長の光へ変換する技術とされており、産業分野や工業分野、医療分野といった様々なシーンでの利用法が考えられています。

そのためアップコンバージョンの技術メリットを追及するためには、レーザーを利用する目的や場面に合わせたアップコンバージョン機構やプロセスを再現することが重要です。

二光子吸収

1つの光子によって励起させる一光子吸収の場合、光子吸収とレーザー強度は正比例の関係になります。一方、二光子吸収は2つの光子を同時に吸収することで導かれる励起過程であり、励起光として照射されるエネルギー強度の二乗倍に比例する遷移レートを獲得できることが特徴です。そのため集光レーザービームを利用すれば空間選択的に分子を励起させられる上、近赤外線といった長波長のレーザーを利用できる点もメリットになります。

三重項―三重項消滅(TTA)

三重項―三重項消滅(TTA)は、三重項励起状態にある2つのエネルギーを利用することで、目的の分子がより高い励起状態へ導かれる現象であり、またそれを応用した技術です。

2つの異なる分子(A・B)が三重項励起状態にある場合、2つの分子間で三重項消滅が発生すると、一方の分子Aからもう一方の分子Bへ励起状態エネルギーが伝達され、最初の分子Aが基底状態に戻ると共に、分子Bはより強大な励起状態へと昇位します。

この特性を利用することで、アップコンバージョンを導くことが可能です。

アップコンバージョンナノ粒子

アップコンバージョンの方法として、希土類イオンを含んだナノ粒子による多段階励起といった技術も研究されています。

具体的にはYbイオンからErイオンやTmイオンへエネルギーを遷移させることで、近赤外線を可視光へ変換することが可能であり、色素増感型アップコンバージョンを再現できることが強みです。

反面、希土類イオンの光吸収能の低さや発光効率の低さといった理由から、アップコンバージョンにはそもそも高強度のレーザー光が必要になるなどの課題も存在しています。

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アップコンバージョンの技術応用

アップコンバージョンを効果的に活用することができれば、目標となる現象に対して、励起光の種類やエネルギー強度の選択肢が増え、装置の小型化やエネルギー効率の適正化といったメリットを追及できるようになります。

また透過率の高い長波長レーザーを利用することで、短波長レーザーではアプローチしにくかったポイントまで光エネルギーを伝達させ、対象部位でアップコンバージョンを起こすことが可能になれば、例えば周辺細胞や組織への副作用を抑えつつ治療部位へ医療用レーザーを照射するといった応用も期待できるでしょう。

アップコンバージョン技術はレーザー加工の効率化や低コスト化に寄与するだけでなく、ピンポイントのレーザー反応を再現したい精密加工や医療分野においてもメリットが検討されています。

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