レーザーの中でも特に「青色レーザー」と呼ばれるものについてまとめました。青色レーザーを活用した加工機の特徴や、課題にも言及していますので参考にしてください。
文字通り「青色に見えるレーザー」です。波長400~450nmのレーザー光線を指します。窒化ガリウム(GaN)を主な原料としており、青色発光ダイオードの開発者である中村修二氏によって基礎技術が開発されました。身近な活用法として、Blu-rayディスクやHD DVDといった光ディスクが挙げられます。赤色レーザを使用した同じ大きさのディスクと比較して、記録できる容量が2~4倍ほど向上する点が特徴です。
青色レーザーは高密度な情報記録を行えるため、光ディスクの他にもナノテクノロジーや半導体、医療など幅広い分野で利用されています。
青色レーザー溶接の特徴として、銅のような非鉄金属の溶接や加工に適している点が挙げられます。
従来のレーザー溶接で用いられる赤外線レーザーの場合、銅への吸収率が非常に低く、溶接作業を行うには出力を高める必要がありました。高出力状態では温度調節や加工制御が困難なため、不良品の発生リスクが高いというデメリットがあります。しかし銅の青色レーザーの吸収率は他のレーザーと比べて大幅に高いため、より効率的な加工が可能です。溶接の品質についての問題を解消しつつ、エネルギー消費も抑えられます。
国際的に電気自動車や電動化が普及する中、銅製品や銅部品の需要は増加傾向にあります。世界的なニーズへ対応できるように、需要と比例して青色レーザーへの期待も高まっているのです。
銅への吸収率の高さ以外にも、青色レーザーにはリモート加工が可能というメリットがあります。リモート加工とは、レーザー発振を行うための光出力ヘッドと溶接加工を行う対象素材の距離を広く取る加工方法です。これにより作業効率の向上や生産力の強化、プロジェクト全体の工期短縮が見込めます。
また生産コストや消費エネルギーを抑えられるため、SDGsのような将来に向けた環境目標の達成や二酸化炭素排出量の削減に繋げられる点がポイントです。
青色レーザーは高密度のエネルギーを利用できる反面、従来の赤外線レーザーよりも効率よく冷却する必要があります。使用する際には環境管理が不可欠でしょう。また青色レーザー溶接や青色レーザー加工の普及による低コスト化を実現するためには、高輝度特性を維持しつつ安全性が高い青色レーザーを開発する必要があります。
UV、グリーン、1μmの3波長を自動切り替え、パルス幅は340fsから10psまで可変。各種材料に合ったレーザー光の選択&適した非熱加工が行えます。
20KWの高出力で20,000㎜/minを超える高速切断が可能、プラズマを上回る切断速度を実現。40㎜までの厚板切断に対応しています。
木材・アクリルはもちろん、紙、樹脂、革まで幅広い対象物に刻印・切断が可能。つまようじほどの細かな対象物にも微細な処理を施すことができます。