レーザーを使って対象物に印字することを刻印(マーキング)と呼びます。レーザーマーキングの原理や種類、さらにレーザー加工機を取り扱うメーカーをまとめました。
レーザーマーキングは、簡単に言えば虫眼鏡で光を集めて紙を焼く原理で、任意の対象物にレーザー光を照射することで彫刻する加工方法です。
レーザーマーキングには、彫刻する内容に合わせたマスク越しに光を照射するマスク方式と、スキャニングミラーを動かすことで自由に刻印できるスキャン方式があります。
一括りにマーキングと言えど、レーザー刻印には対象物の正面を剥がす、溶かす、酸化させる、発色させるなど様々な方法があり、それぞれそれぞれ向いている対象物や加工品質が異なります。
加工できる主な素材
ファイバーレーザーを使ったマーキング加工の最大の特徴は、鉄や銅など反射率が高い金属系物質家の加工に優れている点です。
また、刻印にかかる電気代がCO2レーザーに比べると安いため、導入後のランニングコストを抑えられる点もメリットと言えます。
ファイバーレーザーの波長は、木材などの非金属系との相性が悪く加工には向いていません。
また、Co2レーザーと比べると新品の加工機を導入する際にかかる費用が1.5倍ほどかかる点もデメリットと言えます。
加工できる主な素材
CO2レーザーの光の波長は、木材や紙、ガラスなどの非金属系と相性が良いため、刻印の加工品質が高い点が特徴です。
また、CO2レーザーは従来の加工方式として普及しているため、後発技術のファイバーレーザーと異なり導入費用が抑えられる点も特徴です。
CO2レーザーの波長は、銅や合金類などの金属物に対して反射率が高いため、レーザー光が吸収されにくくほとんど彫刻できない点が欠点です。
加えて、ファイバーレーザー機に比べると設備導入後の維持費がかかってしまう点もデメリットになります。
光響が取り扱う レーザーマーカーの数 |
マーカー機能付き100wファイバーレーザー加工機(自社開発製品)のほか300社の製品 |
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株式会社光響は、2009年に京都市で設立した光学関連製品メーカーです。代表取締役をはじめとして、博士(光学)やMBAなどの資格保有者が多数在籍しており、取り扱う光学製品はレーザーマーカーから溶接機、クリーナーまで多岐にわたります。
マーキングに使えるレーザー加工機としては、ファイバーレーザーやCO2レーザーに加えてグリーンレーザーやUVレーザーなど様々な種類の発振器を搭載した機械を取り扱っています。
FL-MK-30W-kit
ガルバノスキャナーミラーを搭載しており、高速マーキング加工が可能なレーザーマーカー。107万8000円という比較的リーズナブルな価格設定で、高いコストパフォーマンスを発揮します。
※レーザー製品サブスクサービスも利用可能
CO2-MK-kit
CO2レーザーを搭載しており、木材やガラス、紙類などファイバーレーザーでは彫刻しにくい通過性の高い素材へのマーキングが可能です。ユーザーの用途に合わせてカスタム可能であることと、リーズナブルな価格設定が特徴です。
相談受付時間:平日9:00~18:00
所在地:京都府京都市伏見区竹田西段川原町131番
取り扱い製品名一覧
対応業務:Laser as a Service (LaaS:ラース)、LiDAR、レーザー製品サブスクリプションサービス、光学製品レンタルサービス、中古・新古品の販売など、転職サポート(職業紹介、人材紹介)など
サンマックスが取り扱う レーザーマーカーの数 |
レーザー機器19種 |
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サンマックスレーザーを取り扱う株式会社リンシュウドウは、平成3年に岐阜県で設立したレーザー加工機メーカーです。
主要な取引先としては愛工業株式会社や大阪産業大学などがあり、東海地方を拠点として関西エリアや関東エリアでも納入実績を持っています。
また、ただレーザー関連製品を製造・販売するだけでなく、出張型の操作講習まで実施するなど、導入後のサポートが充実している点も特徴です。
RSD-SUNMAX UVレーザーマーキングマシン
UVレーザーを搭載したマーキング機で、標準装備されている回転加工機を使うことでφ25~80の小さな対象物にも印字や彫刻を施すことが可能です。また、電源のON/OFFを切り替えられるフットスイッチも付いているため、作業効率の向上にも貢献します。
RSD-SUNMAX FL30
ファイバーレーザーを搭載したレーザーマーキングマシンです。上述のUVレーザーマーキングマシンと同じく、回転加工機を搭載することでφ25~80の加工素材に対応可能で、フットスイッチも付いています。オプションで消臭集塵機をつければ、作業環境の改善にも繋がります。
相談受付時間:月~土の9:00~18:00
所在地:岐阜県岐阜市長良東2丁目37番地RSDビル
取り扱い製品名一覧
対応業務:新品・中古のレーザー機器の販売・レンタル、来社講習、出張操作講習、出張修理、受託加工、買取・下取り
トロテックが取り扱う レーザーマーカーの数 |
9種 |
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トロテックは1997年にオーストラリア北部のヴェルスで設立した、レーザー加工技術専門の研究期間です。その最新技術を活用して、切断やマーキングに使えるレーザー加工機を開発・製造しています。
世界中に関連会社・販路を持つトロテックには日本法人もあり、本社で製造開発したレーザー加工機の販売と導入後のカスタマーサポートを実施しています。
SpeedMarker
ファイバーレーザーを搭載しており、布地・レザー・紙類に適したレーザーマーカーです。操作画面では刻印プロセスが一目でわかるため、プログラミングに関する知識がなくてもスピーディに操作できます。
Laserati DT
CO2レーザーを搭載したマーキング機で、ゴム製スタンプを彫刻するために特殊設計された専用機です。A4サイズのゴムページでれば20分程度で仕上げられるため、生産性向上に貢献します。
相談受付時間:平日9:00~18:00
所在地:東京都文京区湯島1-12-4 小宮ビル4F
取り扱い製品名一覧
対応業務:レーザー加工機の販売およびサポート&サービス(保守修理)
レーザー加工によるマーキングは、あらかじめ作成しておいたデザインや文字のデータに従ってピンポイントでレーザーを照射し、目的の部位へデザインなどを彫り込む加工です。そのため、緻密なデザインや特殊な形状のフォントであっても正確にマーキングすることが可能であり、大量生産においても均一の品質を確保することができます。
また、作業効率が高くてスピーディにマーキングできることもメリットです。
インクを吹き付けたり、シールを貼り付けたりするのでなく、レーザーマーキングは素材の表面へ直接に彫り込むことが特徴です。そのため、レーザーマーキングによって作成したデザインやロゴ、番号などは半永久的に消えず、いつまでも視認性を確保することを期待できます。
ただし、レーザーマーキングであっても表面が削られたり磨かれたりすれば消えてしまうことがあります。
レーザーマーキングでは素材表面を直接に焦がしたり彫り込んだりするだけでなく、他にも様々なマーキング方法を選択することが可能です。
例えば事前に塗装やめっきを行っておき、任意の部分をレーザーで削り取ったり、重ねた素材の上層だけをレーザーで吹き飛ばしたり、または表面を酸化させて変色させるなど、複数のマーキング方法から目的のものを選べることがメリットです。
レーザーマーキングではインクや塗料を必要としないため、消耗品のコストを抑えられることも見逃せません。また、長く加工機を使い続けることによるカッターの刃こぼれや研磨機の損耗といったリスクもなく、ランニングコストが低くなることがレーザーマーキングのメリットとなります。
ただし、定期的なメンテナンスによる加工機の状態管理は不可欠です。
複数のメリットを期待できるレーザーマーキングですが、逆にメリットがデメリットとして作用することもあります。
例えば、レーザーマーキングによって加工されたデザインや番号、ロゴは消えにくいことが特徴ですが、言い換えれば簡単に消すことができないというデメリットでもあります。また、レーザーマーキングにはレーザー安全管理者を設置しなければならないことも重要です。
加えて、レーザーマーキングにはレーザー加工機が必要であり、初期コストが高まりやすいこともポイントです。
レーザーマーキングの印字方法には、大きく「マスク式」と「スキャン式」の2種類があります。それぞれに特徴があり、適切な印字方法を選択することで作業効率性を高めてコストメリットを向上させることが可能です。
マスク式のレーザーマーキングは、「マスク」と呼ばれる型を事前に用意した上で、レーザーを透過させる部分をマスクによって制御する方法です。マスクを透過した部分だけがレーザーによる影響を受けるため、マスクのデザインに合わせてレーザーマーキングを施せます。
平面でも立体でもマーキングできますが、あらかじめマスクを作成しておかなければならず、工数とコストが増えやすいといったデメリットもあります。
スキャン式のレーザーマーキングでは、「スキャンミラー」という鏡を使ってレーザーの向きや角度を調整することが特徴です。ミラーを動かすことでレーザーの光の当たり具合を変化させられるため、一筆書きのようなレーザーマーキングを実現できることがメリットです。
ただし、ミラーが2枚だけの場合は平面しか加工できず、立体へのマーキングには3枚のミラーを使用しなければなりません。
前述した通り、レーザーマーキングには複数の方法があります。
レーザーマーキングの方法は大きく分けて、「印刷面の剥離」・「表面素材の除去」・「発色」の3種類です。
各レーザーマーキングについて解説します。
あらかじめ素材の表面に塗装やプリントを施しておき、レーザーによって任意の部分だけを剥離・除去するマーキングです。印刷面が剥離された後、その下にあった素材そのものの色が現れるため、塗装の方法や素材の選び方を工夫しておくことでデザイン性を追求していくことができます。
例えば金属素材の表面にレーザーを照射して、任意の部分だけ素材を除去すれば、物理的に素材表面へのマーキングを施すことが可能です。また、複数の金属を重ね合わせておき、上層部の金属面だけをレーザーで除去することができれば、下層の金属の色が露出されてマーキングとして現れます。
レーザーのエネルギーを熱に変換することで、素材の表面に酸化などの化学変化を生じさせて変色させることも方法です。また、例えば木材の表面にレーザーを当てて焦がすことで、物理的な凹凸と変色による両方の特性を与えられることもポイントです。
発色によるレーザーマーキングは、さらにその仕組みから「発泡」・「アニーリングマーキング」・「凝縮」といったタイプへ分類されます。
UV、グリーン、1μmの3波長を自動切り替え、パルス幅は340fsから10psまで可変。各種材料に合ったレーザー光の選択&適した非熱加工が行えます。
20KWの高出力で20,000㎜/minを超える高速切断が可能、プラズマを上回る切断速度を実現。40㎜までの厚板切断に対応しています。
木材・アクリルはもちろん、紙、樹脂、革まで幅広い対象物に刻印・切断が可能。つまようじほどの細かな対象物にも微細な処理を施すことができます。