インナーマーキング

インナーマーキングとは、ガラスやアクリルなどの透明体の「内部」にレーザーで文字・模様・ロゴなどを刻む特殊加工技術です。対象物の表面は傷つけず、内部だけに立体的な模様を形成できるため、高級感のある記念品や装飾品、ディスプレイなどに幅広く利用されています。本ページでは、インナーマーキングの原理・特徴・対応素材・活用例について詳しく解説します。

インナーマーキングの特徴と用途

インナーマーキングは、透明な素材の内部にレーザー光を集光し、局所的な破壊や屈折変化を利用して模様を描く加工方法です。レーザーの焦点を素材内部の一点に合わせ、その部分だけに微細なクラック（亀裂）や白濁を作り出すことで、点の集合として文字やデザインを表現します。

レーザーが透明体の表面を透過し内部でのみ反応するため、

• 表面は傷つかない（外観保持）
• 内部に立体的な模様を形成できる
• 細かな点を三次元に配置でき、3Dデザインも可能
• 高精細で高品位な仕上りが得られる

といった特徴があります。熱や振動による歪みが最小限で、耐久性も高く、装飾だけでなく工業用途でも利用が広がっています。

インナーマーキングの対象となる素材

インナーマーキングは、透明度が高くレーザー光が内部まで届く素材が対象です。機種やレーザーの波長によって適用範囲は異なりますが、一般的には以下のような素材で加工が可能です。

• 光学ガラス
• クリスタルガラス
• サファイアガラス
• フロートガラス
• 水晶
• Ecoクリスタル
• アクリル（PMMA）
• 合成石英
• ポリカーボネート
• 塩化ビニール
• 氷
• シリコン樹脂
• 石鹸
• ウレタン樹脂など

このように、ガラス以外にもプラスチック樹脂や結晶材料など、多様な透明・半透明素材に適用できます。素材の種類や厚みによって焦点深度・パルス条件が変わるため、レーザー設定の最適化が重要です。

インナーマーキングの具体的な使用例

インナーマーキングでは、点を三次元的に配置できるため、文字・ロゴ・イラストだけでなく、3Dモデルの立体表現にも適しています。以下のような分野で広く活用されています。

• ロックグラス・タンブラーなどの名入れ加工
  ガラス内側に刻むため、表面は滑らかで美しいまま。
• ガラステーブルやインテリア家具の装飾
  高級感ある模様や幾何学パターンを内部に配置。
• ディスプレイやショーケースの装飾加工
  店舗演出や特注製品に利用される。
• クリスタルアワード・トロフィー
  企業ロゴ、人物の3D彫刻、メッセージ刻印など、多様なデザインに対応。
• 各種記念品・ノベルティ
  結婚記念・卒業記念・周年記念など、オリジナル性の高いギフト制作に最適。

近年では、スマートフォン部品や光学デバイスなど工業製品への微細マーキングにも応用され、識別番号・QRコードの内部刻印といった偽造防止目的にも利用されるケースが増えています。

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