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CWレーザー

CWレーザーとは

CWレーザーの「CW」は「連続波:Continuous Wave」を意味する略語であり、CWレーザーを日本語に訳せば連続的に出力されるレーザー光となります。

そもそもレーザーには一定の周波数によって出力される「パルスレーザー」と、連続的にレーザー光が繰り返し出力される「CWレーザー」の大きく2種類が存在しており、パルスレーザーとCWレーザーはそれぞれの特性やメリットを活かして各分野や加工技術などに利用されています。

CW発振の原理

CWレーザーはCW発振器によって出力されるレーザーであり、一定出力のレーザーを連続的に照射することが可能です。CWレーザーはパルスレーザーのように波長の変化の影響を受けないため、照射時間によってレーザーの出力が変動せず、安定的なレーザー加工や照射作用を獲得できることがポイントです。

例えば光ファイバーを活用してレーザー光を出力するファイバレーザーは固体レーザーの1種ですが、CWレーザーを出力するシステムとしてファイバレーザーを利用することは広く知られています。

CWレーザーは断続的なレーザー照射を高速で繰り返すことが特徴であり、マルチモード励起レーザーダイオードなどを活用して構成することが可能です。なおその他にもYAGレーザーを利用したCWレーザーもあります。

CWレーザーのメリット

CWレーザーのメリットは、一定の出力でレーザーを繰り返し照射できる点にあります。つまりレーザー照射の時間を任意のタイミングで切り取っても、レーザーの出力や強度に違いが生じません。

これにより、CWレーザーを活用したレーザー加工機やレーザー治療器では常に安定したレーザー出力を得ることが可能となり、加工品質や治療効果を持続的かつ安定的に再現できることがメリットです。そのため仕上がりの美観や品質を追求したいレーザー溶接やレーザー切断といったレーザー加工機では、パルスレーザーでなくCWレーザーが利用されることも少なくありません。

またレーザー出力が変化しないため、光通信や光ファイバー通信といった通信技術においても利用することができます。

CWレーザーの用途

レーザー溶接

CWレーザーは連続的に安定したレーザー出力を利用できるため、例えばレーザー溶接にCWレーザーを用いた場合、溶接部位へ吸収されるエネルギーも一定になり溶接の加工品質が均一になるという特性があります。このためレーザー溶接による加工部位の強度も安定させられ、溶け込みが不断なものになるため気密性を高められるといったことも重要です。

そのためレーザー溶接でも特に加工強度や気密効果などを追求したい用途においてはCWレーザーが適しています。

レーザー切断

レーザー加工の場合と同様に、レーザー切断においても出力されるレーザーの品質が安定していることで精密かつ均一な切断加工を再現することが可能です。そのため仕上がりの品質を追求したい場合にCWレーザー切断が採用されることも少なくありません。

反面、CWレーザーでは連続的にレーザーが出力され続けるため、対象素材や照射時間によっては熱影響が発生しやすいといった課題もあります。そのため条件によってパルスレーザーの方が適していることもあります。

なお、コストパフォーマンスを考えながらCWレーザーの中でも発振機構が色々と工夫されていることは重要です。

光通信用信号光源

CWレーザーは光通信用の信号光源としても利用されており、外部変調機などと組み合わせることで大容量かつ長距離のデータ伝送を安定的に再現することが可能です。

そのため伝送距離が数百kmに及ぶような長距離光通信においてはCWレーザーが利用されています。

パルスレーザーとCWレーザーの違い

パルスレーザーの場合、波形の周波数が連続的に繰り返されてレーザー光を構成していますが、そもそもレーザー光はパルス幅が短くなるほどエネルギーが大きくなるという特性を有しており、波形のパルス幅を持つレーザー光はそのタイミングによって強度も変わることが特徴です。

そのため任意のタイミングで一定の出力やエネルギー強度を維持できるCWレーザーと違い、パルスレーザーの出力は1つのパルス幅における平均出力として求められます。

またパルスレーザーでは波長を短縮させることで出力を強化できるというレーザーの特性を利用して、長波長レーザーの励起光を短波長レーザーへ変化させるアップコンバージョンといった技術などへ応用できる点も特徴です。

これによりパルスレーザーは産業分野や工業分野におけるレーザー加工機に利用されている他、レーシック手術やレーザー治療器など医療分野における活用法も追及されています。

なお、パルスレーザーのパルス幅を数ピコ秒~数フェムト秒へ変化させることで、極めて強力なエネルギーを獲得する超短パルスレーザーといった活用法も科学技術の発展に貢献しています。

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