よく耳にすることはあっても、「半導体」と聞いて正確に説明できる人は少ないと思います。そもそも半導体とは何か、その半導体を使ったレーザーについても、ここではわかりやすく解説いたします。
半導体レーザーとは、半導体をもとにして作られた回路素子(電気回路の構成要素)のこと。
そこに電流を流し、発生したレーザーを指します。
ダイオードレーザーやレーザーダイオードという名称で呼ばれることも少なくありません。
発光する仕組みはLED(発光ダイオード)と同じで、レーザーを照射するには、まず光を共振させる「共振器」が必要となります。
白熱電球と比較すると、半導体レーザーやLEDとの違いがわかりやすくなります。
白熱球は電気をまず熱エネルギーに変換し、そこに光が生まれる仕組みです。
対して半導体レーザーやLEDは、熱エネルギーへの変換を行わず、電気から直接光を発生させているのです。
こうした半導体レーザーの性質は、さまざまな分野でのメリットとして受けとめられ、普及をしています。
レーザー加工機として半導体レーザーはメリットも多いのですが、デメリットも存在します。
それは、光沢のある物や透明な物、白色や青色をしている素材への加工に向かないことです。
これは、レーザーの波長が原因。
半導体レーザーは、人の目で見て透明な物や白い物に対し、レーザーが透過、または反射してしまうのです。
レーザー加工機を選ぶ際には、出力や操作性だけでなく、主にどんな物体や素材を加工したいのかも視野に入れておきましょう。
半導体レーザーの大まかな原理は、半導体へ電気を流してレーザー発振させ、そのレーザーを対象物へ照射するというものであり、基本的にLEDライトなどに利用される発光ダイオードと仕組みは同じです。
さらに細かくいえば、半導体ダイオードはレーザー光が生まれる活性層(発光層)と呼ばれる部分を、それぞれマイナスの電気的性質を持つn型クラッド(半導体)と、プラスの電気的性質を持つp型クラッド(半導体)で挟み込まれており、これをダブルへテロ構造と呼びます。
また活性層は端面に光を反射する反射面を備えており、pを+極、nを-極として電気を流すことで、活性層に発生した自然光がそのまま放出されず反射面で反射して活性層の内部で増幅されていき、レーザー加工に必要なエネルギーを獲得するという仕組みです。
半導体レーザーの原理は活性層と電気の流れによる発光システムですが、実際に発振されるレーザーの波長によっていくつかの種類が存在しており、その中でも最もシンプルな構造になっている半導体レーザーが「ファブリペロー(FP)型半導体レーザー」です。FP型半導体レーザーは複数の波長を発振できますが、長距離通信の光光源としては不向きとなります。
DFB型半導体レーザー(Distributed FeedBack Laser)は単一の波長のレーザーのみを発振する半導体レーザーです。DFB型半導体レーザーは活性層とp型クラッド層の境界面が回折格子になっており、それが回折格子幅の2倍の波長を持つ光を選択的に増幅して単一波長のレーザー光を発振します。DFB型半導体レーザーは信号波形の劣化を抑えやすく長距離通信に適しています。
活性層の一方の端面へHRコート(高反射コート)を施し、また光ファイバーへ低反射率のFBG(Fiber Bragg Grating)を書き込み、それらによってレーザーキャビティが構成されています。さらに活性層のもう一方の端面や光ファイバーの入射端面にはARコート(無反射コート)が施されることも特徴です。
単一波長の半導体レーザーとして優秀な反面、製造が難しく高価になります。
半導体に電気を流してレーザーを発振する半導体レーザーと、発光ダイオード(LED)に電気を流して光を放出するLEDライトは、光を生み出す原理としては基本的に同じ仕組みです。
ただし半導体レーザーは反射面によって光が内部で反射・増幅されて高エネルギーを獲得するのに対し、LEDは発生した光をそのまま放出するという違いがあります。
UV、グリーン、1μmの3波長を自動切り替え、パルス幅は340fsから10psまで可変。各種材料に合ったレーザー光の選択&適した非熱加工が行えます。
20KWの高出力で20,000㎜/minを超える高速切断が可能、プラズマを上回る切断速度を実現。40㎜までの厚板切断に対応しています。
木材・アクリルはもちろん、紙、樹脂、革まで幅広い対象物に刻印・切断が可能。つまようじほどの細かな対象物にも微細な処理を施すことができます。