気体レーザーとは、レーザー媒質に二酸化炭素や希ガスなどの気体を利用して励起させるレーザーの総称です。このページでは、レーザー加工機などに幅広く利用されている気体レーザーについて仕組みや原理、特徴などをまとめました。
気体レーザーとは、ガス分子の励起によって発生されるレーザーであり、レーザー媒質として二酸化炭素や希ガスといった物質の気体を利用していることが特徴です。
気体レーザーの性質として、単色性が高くなっており、レーザーとしてのエネルギー出力を高められるといった点が挙げられます。そのため気体レーザーは様々な業界や用途で使われており、医療用レーザー治療機や工業用レーザー加工機など色々な製品に搭載されています。
気体レーザーとして代表的なものの1つが、レーザー媒質に二酸化炭素を利用した「CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)」です。ただし実際に利用される気体成分は、100%の二酸化炭素ではなく、二酸化炭素にヘリウムや窒素といった気体分子が混合されている炭酸ガスとなっていることもポイントです。
発振されるレーザー光の波長は赤外域(10600nm)となっており、ガラスやアクリル、氷など透明な材質であっても加工できる他、紙や木材の切断、金属の溶接やマーキングといった色々な加工に利用することができます。その他、医療目的で使われることもあります。
エキシマレーザーはハロゲンガスと不活性ガスの混合媒質を使って、放電によって励起させてレーザー光を発生させる気体レーザーです。レーザーの波長は紫外域(193nm)となっており、レーザーの出力が高い上、熱を発生させないといった特徴から、熱影響を与えたくない素材の加工や人体への治療など幅広い目的に利用されます。
用途としては、半導体製造における微細加工や、眼科における外科治療(レーザー手術)などに使われています。
アルゴンは希ガスの1種であり、アルゴンレーザーはアルゴンに放電することでアルゴンイオンを発生させ、それを用いてレーザーを発振する気体レーザーです。発振可能なレーザー光の波長は、紫外域と可視域(青・黄緑)、そして近赤外域となっており、可視光としての連続出力が可能になっていることも特徴です。
用途としては可視域電磁波が必要とされる分野での利用や、色素レーザー、また波長によって医療用レーザーなどが挙げられます。
なお、放電管の内部にあるアルゴンは長時間のレーザー発振によってイオン化が促進され、気体圧力が減少していくため、定期的にアルゴン気体を補充したり放電管を冷却したりといったサポートが必要です。
ヘリウムネオンレーザー(HeNeレーザー)は、文字通り媒質としてヘリウムとネオンを主成分とした混合ガスを利用する気体レーザーです。成分比としてはヘリウムが75%以上、そしてネオンが15%未満となっており、放電によってエネルギーを受け取ったヘリウム原子が、ネオン原子へ衝突することで励起状態を発生させてレーザーを発振します。
ヘリウムネオンレーザーは1960年の開発から様々に改良されており、出力が安定的で複数の波長を利用できるといった点が特徴です。
UV、グリーン、1μmの3波長を自動切り替え、パルス幅は340fsから10psまで可変。各種材料に合ったレーザー光の選択&適した非熱加工が行えます。
20KWの高出力で20,000㎜/minを超える高速切断が可能、プラズマを上回る切断速度を実現。40㎜までの厚板切断に対応しています。
木材・アクリルはもちろん、紙、樹脂、革まで幅広い対象物に刻印・切断が可能。つまようじほどの細かな対象物にも微細な処理を施すことができます。