このページでは、木材に対してレーザー加工を行う際のポイントや、そもそもレーザー加工に適した木材の種類などについて詳しく解説しています。木材へのレーザー加工を業者へ依頼する際の参考にしてください。
木材といっても様々な種類がありますが、一般論として木材はレーザー加工へとても適した素材とされています。木材に対するレーザー加工では切断や彫刻など複数の加工法を利用できる上、例えばレーザーの出力を変えて彫刻のコントラストを調節するといったことも可能です。
まずは木材にできるレーザー加工を把握しておきましょう。
木材はレーザー加工によって切断したり、穴を開けたりすることが可能な素材です。あらかじめ作成しておいたデザインデータに従って、レーザー加工機が木材を任意の形状やサイズにカットできるので、色々な業界で木材のレーザーカットといった加工が利用されています。
ただし、レーザーの熱で木材を焼き切るという特性上、カットした断面が熱で焦げて黒く変化するといった特徴もあります。
レーザーの熱で木材の表面を削り取り、文字やロゴ、イラストなどを彫刻することも可能です。
木材に対するレーザー彫刻では、木材の種類や加工機の種類などによって、レーザーを当てた部分や周辺に色の変化が生じることもあります。材料によっては木材が黒く変化することもあり、その性質を活用してデザイン性を追求できることも特徴です。
そのため、木材へのレーザー彫刻では素材適正をしっかりと確認するようにしてください。
レーザー加工機でできる
「彫刻(マーキング)」について詳しく見る
例えば木材をのこぎりやチェーンソーなどの工具で切断しようとすれば、どうしても大きな木くずや削りカスが発生します。しかし、レーザー加工で木材を切断する場合、素材をレーザーのエネルギーで焼き切るため、細かい粉塵や煙は生じるものの大きな木くずや削りカスといったものが発生しません。
そのため加工後の処理や片付けも楽になります。
レーザー加工ではあらかじめエンジニアが作成したデザインデータなどを使って、複雑なデザインや形状の加工を行うことができます。そのため、のこぎりや彫刻刀による人間の作業では困難だった複雑な加工も実現できる点がメリットです。
ただし、精密加工では必ず素材適正やレーザーの出力調整をきちんと行うことが必要です。
レーザー加工によって木材を切ったり彫ったりする場合、のこぎりで木材を切る時のように作業場へしっかりと固定する必要がありません。
これにより、従来は固定することが困難だったサイズや形状の木材に対しても加工できるため、より加工の幅を広げることができます。
木材といっても完全な天然素材から、合板やMDFなどのように自然由来素材を人工的に加工されたものまであり、また木材の種類によっても特性は様々です。
基本的に木材はレーザー加工へ適正の高い素材とされていますが、特に木目が均一で色の変化が少ないものが適しています。
ヒノキやマツ、スギ、バルサなどの軟木・針葉樹の特徴として、木材の中でもやや柔らかい素材という点が挙げられます。
そのため、軟木・針葉樹は比較的低い出力のレーザーでも加工しやすいことが特徴です。
また、レーザー彫刻した部分が白っぽくなるといった特性があります。
サクラやケヤキ、カエデ、ウォルナットといった硬木・広葉樹は、硬めの木材なのでレーザー加工でも高い出力を必要とします。また、レーザー出力が高くなるため、レーザーを当てた部分が黒く変化しやすいことも特徴です。
なお、緻密な木目を持つことが多い硬木・広葉樹はレーザー彫刻へ適しています
複数の木材を人工的に貼り合わせたものが合板・ベニヤ板です。あらかじめ均一に加工されているため、レーザー加工後の状態をシミュレーションしやすいことがメリットです。
ただし、異なる木材が張り合わされているため、どのような素材が使用されている合板か事前に確かめておくことが欠かせません。
MDFとは、木材チップや植物繊維を原料として、合成樹脂を混合し、高温・高圧でプレスして製造する建材です。低コストで加工しやすく、建築業界だけでなくレーザー加工業界でも選ばれやすい木材です。
MDFはメーカーごとに種類も異なるため、レーザー加工前に利用するMDFの特性をチェックしておきましょう。
一般的に木材はレーザー加工へ適正の高い素材とされています。そのため、建築業界だけでなく様々な業界において木材へのレーザー加工が利用されています。
反面、木材は天然素材ということもあり、個々の素材に性質の差があることも重要です。同じ種類の木材であっても採取された地域や時期、加工されている部位などによって歪みやソリ、色調などの個体差があり、均一の品質をレーザー加工で再現しようとすればまず素材選びを慎重に行うことがポイントとなります。
木材をレーザーで加工すると、加工後に茶色くねばついた物質が残っていることもあります。これは、レーザー加工によって木材の「ヤニ」が表面へ生じていることが原因です。
ヤニが残っていては素材や製品として不適切なため、加工前に不要な部位をマスキングテープで保護したり、加工後の洗浄や研磨などでヤニを除去したりすることが必要です。
以下にヤニを防ぐ代表的な方法をご紹介します。
レーザーを照射する際にエアーを吹き付けることで、粉塵やヤニの発生・付着を防止することが可能です。なお、エアーの出力調整が適切に行われず、エアーの出力が弱いままレーザー加工を行った場合、ヤニが付着しやすいだけでなく発生した煙でレーザー加工機が汚れたり、いっそ木材が発火したりする原因にもなるため注意してください。
あらかじめマスキングテープによって木材をカバーして、加工しない部分を隠しておくことも有効な方法です。
ヤニの発生を完全に防ぐことは困難ですが、マスキングテープを貼っておくことで、加工部位の周囲へヤニが直接に付着することを防げます。
加工後はマスキングテープを剥がして仕上げを行います。ただし、マスキングテープを貼る際は加工部位へ重ならないように注意してください。
レーザー加工を終えた後で、水やぬるま湯を使って木材の表面を洗い、ヤニを落とすといった方法も一般的です。ただし、水やぬるま湯を使って木材が水分を含んだ場合、必要に応じて乾燥などの作業を行わなければなりません。
なお、細かい部分へ付着しているヤニを落とすような場合、ブラシなどを使ってしっかりと洗い落とすといった一手間も重要ポイントです。その場合、木材の表面を傷つけないように配慮しましょう。
レーザー加工後にヤニが付着した部分や、焦げて黒く変色した部分を、やすりやサンドブラストによって研磨して削り取るといったこともメジャーな方法です。
ただし、研磨によってヤニや焦げを落とせるのは、あくまでもやすりがけなどを行える木材が対象です。
研磨はヤニを落とすだけでなく、表面の状態を均一化して手触りを良くできることもメリットといえます。
UV、グリーン、1μmの3波長を自動切り替え、パルス幅は340fsから10psまで可変。各種材料に合ったレーザー光の選択&適した非熱加工が行えます。
20KWの高出力で20,000㎜/minを超える高速切断が可能、プラズマを上回る切断速度を実現。40㎜までの厚板切断に対応しています。
木材・アクリルはもちろん、紙、樹脂、革まで幅広い対象物に刻印・切断が可能。つまようじほどの細かな対象物にも微細な処理を施すことができます。