PRICE GUIDE
ファイバーレーザー加工機の価格相場は?
種類別の目安と導入総額
ファイバーレーザー加工機は、金属への刻印、溶接、切断で価格の桁が変わります。検索結果の金額を横並びにする前に、同じ用途・出力帯・加工範囲へそろえることが必要です。
結論:一般的に20W前後の刻印機は約50万円、ハンディ型溶接機は約120万~850万円、コンパクト~中小工場向け切断機は約430万~1,830万円が初期予算の目安です。ただし、統計的な平均相場ではありません。本体外の設備や工事を加えた導入総額は、同じ加工条件で見積もります。
ファイバーレーザー加工機の種類別価格相場
公開価格例から見る初期予算の目安
| 種類 | 主な用途・規模 | 公開価格例から見た目安 | 価格に含まれない可能性があるもの |
|---|---|---|---|
| ファイバーレーザーマーカー | 20W前後・金属への刻印 | 約50万円前後 | 治具、安全設備、設置条件による追加品 |
| ハンディ型レーザー溶接機 | 700W~2kW前後・金属溶接 | 約120万~850万円 | ガス設備、電源工事、安全設備、搬入・設置 |
| コンパクト~中小工場向け切断機 | 1.5~3kW前後・小型ワークから中型板材 | 約430万~1,830万円 | 電源・排気・ガス設備、安全対策、搬入・設置 |
| 本格生産向け切断設備 | 1,500×3,000mm級・自動化を含み得る設備 | 個別見積もり 一社の本体公開例:約1,600万~2,920万円 |
送料、設置、工事、自動搬送、保守など |
※参照元URL:smartDIYs「製品一覧」(https://www.smartdiys.com/products/)
※参照元URL:Podea「Stella F20」(https://www.podea.net/product-page/stella-f20)
※参照元URL:ユーボン「ファイバーレーザー溶接機」(https://www.youbon.co.jp/kizai/05ipg1500w.html)
※参照元URL:ウエルドツール「ファイバーレーザー加工機(切断機)」(https://www.weldtool.jp/contents/laser-cutting)
※参照元URL:ユーボン「ファイバーレーザー EL1500-6060」(https://www.youbon.co.jp/kizai/03el6060.html)
※参照元URL:ユーボン「ファイバーレーザー EL1500/EL2000/EL3000」(https://www.youbon.co.jp/kizai/03el300.html)
同じ出力でも価格がそろわない
出力は価格を左右する条件の一つですが、出力だけで価格順にはなりません。たとえば1.5kWの溶接機でも、発振器メーカーが異なる公式例では、本体価格に2倍を超える差があります。切断機も、加工範囲、遮蔽構造、冷却、標準ソフト、設置・講習の含有範囲によって価格が変わります。
そのため、相場表は予算の桁をつかむために使い、候補機を選ぶ段階では「何が含まれた価格か」まで確認します。
予算を具体化する3つのケース
20W前後のマーカー価格を入口に、刻印範囲、深さ、処理量、円筒治具の要否を確認します。切断や溶接を行う設備とは分けて考えます。
素材・板厚・継手形状を伝え、必要出力を決めます。本体に加え、ガス供給、安全設備、電源、ワイヤー供給、操作教育を含めた構成で比較します。
素材、最大板厚、ワーク寸法、月間枚数を固定します。加工機だけでなく、排気、アシストガス、材料の載せ降ろし、加工後の取り出しまで予算へ入れます。
本体価格ではなく導入総額で予算を組む
公開価格が予算内でも、その金額だけで稼働を始められるとは限りません。初期費用は、本体とオプションに加え、周辺機器、工事、安全対策、教育まで含めて考えます。
初期費用は稼働開始までを含める
- 機械と周辺設備
- 本体、発振器、冷却装置、集塵・排気、ガス供給、コンプレッサー、PC・ソフトウェア、治具、自動化装置など。
- 搬入と立ち上げ
- 運送、荷下ろし、据付、電気・排気・ガス工事、試運転、加工条件の設定、操作教育、安全教育など。
具体例として、あるファイバーレーザー切断機では、本体以外に所定の電源環境、排気システム、アシストガス、ガス調整器とホース類、冷却用の純水、操作用PCが必要と案内されています。反対に、搬入・設置費を価格へ含む製品例もあります。「本体以外は必ず別料金」と決めつけず、見積書の内訳を確認する必要があります。
※参照元URL:smartDIYs「FLC1500の本体以外に必要なものについて」(https://www.smartdiys.com/support/qa-product/flc1500/things-necessary-4/)
※参照元URL:ウエルドツール「ファイバーレーザー加工機(切断機)」(https://www.weldtool.jp/contents/laser-cutting)
ランニングコストは加工条件ごとに試算する
稼働後は、電気、アシストガス、消耗品、冷却関連の資材、点検・保守、修理などに費用がかかります。金額は稼働時間、素材、板厚、加工方法で変わるため、月額の一律相場より、自社で多い加工条件を使った試算が役立ちます。
切断機の公式検証資料でも、電気、ガス、ノズルや保護レンズなどの消耗品、冷却用の純水・不凍液が運用費として挙げられています。ただし、必要な費目は機種構成によって異なります。
※参照元URL:smartDIYs「FLC1500のランニングコスト全公開」(https://www.smartdiys.com/blog/flc1500-running-cost/)
価格差を生む5つの条件
- 加工目的 刻印、溶接、切断のどれを行うかで、必要な機械構成が変わります。複数工程を一台へ求める場合は、各工程の品質と使い勝手も確認します。
- 素材・板厚・出力 高出力であることだけを評価せず、普段加工する素材と板厚、必要な速度、仕上がりに対して過不足がないかを見ます。
- 加工範囲と搬送 ワーク寸法、長尺材への対応、材料の載せ降ろし、加工後の取り出しまで含めて仕様を決めます。
- 発振器・周辺機器・自動化 発振器の構成、集塵、ガス供給、治具、ローダー、材料棚、仕分けなど、どの工程まで含めるかで価格が変わります。
- 保守と立ち上げ支援 据付、加工条件の設定、操作教育、訪問・遠隔対応、保証、部品供給の範囲を確認します。
見積もりは「総額」と「止まったとき」で比べる
各社へ同じ加工条件を渡す
メーカー名や出力だけで候補を並べず、同じ素材、板厚、ワーク寸法、月間数量、要求品質を各社へ伝えます。可能であれば、自社の材料と加工データを使った加工テストも依頼します。
| 比較項目 | 確認する内容 | 判断できること |
|---|---|---|
| 加工条件 | 素材、板厚、形状、加工範囲、月間数量、要求品質 | 必要な仕様と過剰性能を見分ける |
| 機械構成 | 本体、発振器、冷却、ソフト、付属品、オプション | 見積もりに含まれる範囲をそろえる |
| 搬入・設置 | 運送、荷下ろし、据付、工事、試運転、教育 | 稼働開始までの追加費用を把握する |
| 運用費 | 電力、ガス、消耗品、交換周期、定期点検 | 稼働量に応じた年間費用を比べる |
| 契約条件 | 税込・税別、支払条件、納期、検収、見積有効期限 | 支払総額と導入時期のずれを防ぐ |
保守は復旧までの流れを確認する
保証期間だけでは、設備停止の影響までは判断できません。故障時の受付方法、遠隔診断、訪問対応、交換部品の在庫、自社で行う作業、復旧までの想定手順を確認します。
設備を止められる時間が短い現場では、保守費だけでなく、復旧方法や部品供給を比較します。予備の消耗品や交換部品を自社で持つかも、導入前に決めておきます。
内製化は年間削減可能額で判断する
外注費から内製後の追加コストを引く
現在の外注費が、そのまま導入効果になるわけではありません。内製化後は、材料、ガス、電気、消耗品、保守に加え、段取りやデータ作成を担う人件費も発生します。
年間削減可能額 = 内製化できる年間外注費 − 追加人件費 − 材料・光熱・ガス・消耗品 − 保守見込額
簡易回収期間 = 導入総額 ÷ 年間削減可能額
内製化向きか、外注継続向きかを分ける
- 同じ系統の加工を継続的に外注している
- 外注待ちが納期や試作回数を制約している
- 再加工や設計変更へすぐ対応したい
- 操作・安全・保守を担当する人員を置ける
- 加工量が少なく、稼働率を見込みにくい
- 案件ごとに素材・板厚・加工範囲が大きく変わる
- 複数の特殊設備を使い分ける必要がある
- 安全管理や保守の担当体制をまだ作れない
まとめ
ファイバーレーザー加工機は、刻印なら約50万円前後、ハンディ型溶接機なら約120万~850万円、コンパクト~中小工場向け切断機なら約430万~1,830万円が、今回確認した公開価格例から見た初期予算の目安です。
この金額だけで導入可否は決められません。用途と加工条件を固定し、本体、周辺機器、工事、安全対策、立ち上げ、運用、保守まで含む総額を同じ条件で見積もります。内製化する場合は、年間削減可能額と回収期間も確認します。