条件出し

目次
全て表示

「条件出し」とは

レーザー加工では、材料を狙いどおりの品質で切断・穴あけ・加工するために、レーザーの設定を適切に整える必要があります。レーザー出力やアシストガスの種類、加工速度、焦点位置などは、材料によって適正値が大きく異なるため、実際の加工を行いながら最適条件を検証する工程が欠かせません。このように、加工品質が最も安定し、かつ効率良く仕上がる加工条件を導き出す作業を「条件出し」といいます。

条件出しは、製品品質の安定化、生産効率の向上、装置の長寿命化に直結する重要なプロセスであり、レーザー加工を行う現場では必須の作業です。特に多品種少量生産や新規材料の加工では、条件出しの精度が仕上がりを大きく左右します。

条件の種類

レーザー加工で設定すべき代表的な条件には、以下の4つがあります。

  • レーザー出力
    材料を溶融・蒸発させるためのエネルギー量です。高すぎると溶け落ちの原因になり、低すぎると切断不足やバリの発生につながります。
  • アシストガスの種類
    酸素、窒素、エアーなどがあり、切断品質・速度・断面の色調に影響します。
    ・酸素:反応熱により高速切断が可能だが、酸化層が残りやすい
    ・窒素:酸化を防ぎ、美しい断面が得られるが、圧力や消費量が増える
    ・エアー:コスト重視の用途で利用されることも多い
  • 加工速度
    レーザーを走らせる速度。速すぎると未切断になり、遅すぎると焦げ・熱影響が増えます。
  • 焦点位置(フォーカス位置)
    焦点が材料表面・内部・下部のどこに合っているかで、切断の深さや断面品質が変化します。

これらの条件は単独で決められるものではなく、材料特性や板厚、加工形状などに応じて複合的に調整されます。たとえばステンレスを高品質で切りたい場合、窒素ガスと最適なパワー・フォーカス位置を組み合わせる必要があります。

適切な条件の判断

適切な加工条件を判断する際は、切断後の仕上がりを観察します。レーザー切断では、断面に「ドラグライン」と呼ばれる縦方向の細い線ができます。このドラグラインが以下のような状態であれば、良好な条件と判断できます。

  • 縦の筋が均等で一定の間隔になっている
  • 断面が滑らかで焼け・溶け落ちがない
  • 裏面までしっかり切れており、バリが最小限
  • 断面に大きな段差や荒れが見られない

一方で、筋が荒れている、斜めに揃っていない、裏面に未切断があるなどの場合は、出力過多・不足、焦点ズレ、ガス圧不足などの可能性があり、再度条件を調整する必要があります。

材質によっても変化する

レーザー加工はさまざまな材質を切断できる汎用性がありますが、最適条件は材質ごとに大きく異なります。材質の熱伝導率・反射率・溶融点・厚さに応じて、レーザーの設定を細かく変える必要があります。

  • 鋼材(鉄)
    酸素切断で高速加工が可能。フォーカス位置は表面付近〜やや内部が一般的。
  • ステンレス
    酸化を避けるため窒素切断が多い。焦点位置の数ミリ差で断面品質が大きく変わる。
  • アルミニウム
    高反射材料のため出力が必要。熱伝導率が高く、フォーカスがずれると切断不足が起きやすい。
  • アクリル
    美しい透明断面を得るには、出力・速度・フォーカス位置の最適化が不可欠。

このように、材質に応じた条件出しを行うことで、加工品質を安定させることができ、加工スピードの最適化や不良率の低減にもつながります。

本サイトでは自社の目的に合わせたおすすめなレーザー加工機を、生産規模別にご紹介しています。
少量生産・大量生産のカテゴリからぜひチェックしてみてください。

【生産規模別】
少量生産で
おすすめのレーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは少量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。

金属なら
切断・穴あけ・ノッチングを
2000万円台で実現
bodor
bodor
引用元:レーザーコネクト公式HP
(https://www.laserconnect.co.jp/products/bodor_i.html)
  • ファイバーレーザー
こんな現場におすすめ
  • 鉄工所
  • 金型工場
  • アクセサリー制作
  • デザイン事務所など
電子部品なら
M2値も1.3未満
熱影響を抑えた精密加工
CryLaS
CryLaS
引用元:日本レーザー公式HP
(https://www.japanlaser.co.jp/product/crylas_fqcw266-series/)
  • UVレーザー
こんな現場におすすめ
  • プリント基板工房
  • 研究機関
  • 時計工房など
非金属なら
         
1台で木材・アクリル・ガラス
対応し、ものづくりの幅が広がる
smartDIYs
smartDIYs
引用元:smartDIYs公式HP
(https://www.smartdiys.com/etcher-laser-pro/)
  • CO2レーザー
こんな現場におすすめ
  • 革製品工房
  • ガラス工房
  • 雑貨製造業
  • オーダーメイド製作業など
【生産規模別】
大量生産向けの
レーザー加工機3選

レーザー加工機はその種類によって素材の向き・不向きがあります。
ここでは、大量生産を行う企業に向け、加工したい素材別におすすめのレーザー加工機をご紹介します。

金属なら
独自の発振器とビーム制御で
バリを低減
し、高品質加工を追求
三菱電機
三菱電機
引用元:三菱電機公式HP
(https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/products/mecha/laser/pr/fv/index.html)
  • ファイバーレーザー
こんな業種におすすめ
  • 自動車部品製造業
  • アルミ・ステンレス加工工場
  • プラント機器製造工場など
電子部品なら
ピコ秒発振器とφ20μm以下の
Cu-Direct加工
で極小径加工を実現
ビアメカニクス
ビアメカニクス
引用元:ビアメカニクス公式HP
(https://www.viamechanics.com/products/laser/1582/)
  • UVレーザー
こんな業種におすすめ
  • 電子部品工場
  • FPCメーカー
  • プリント基板製造など
非金属なら
アクリルや、木材、骨角まで
素早くダブルヘッド同時加工
AIZ
AIZ
引用元:AIZ公式HP
(https://www.aizmachinery.jp/jadc-1007-150)
  • CO2レーザー
こんな業種におすすめ
  • 家具工場
  • 木工メーカー
  • インテリア製造業など